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イノベーションのスタートで注意したい10の問題
イノベーションと無縁でいられる組織はもはや1つもない。しかしながら、イノベーションプロジェクトの80%は途中で頓挫してしまう。多くがプロジェクトの序盤でつまずいてしまうのだ。(「イノベーションの探検へ」より)
『START INNOVATION ! with this visual toolkit.〔スタート・イノベーション! 〕―ビジネスイノベーションをはじめるための 実践ビジュアルガイド&思考ツールキット』(ハイス・ファン・ウルフェン著、高崎拓哉訳、ビー・エヌ・エヌ新社)の冒頭には、こんな一節があります。
では、どうしたらいいのか? その答えをグラフィカルに、わかりやすく解説したのが本書。ターゲットはマネージャー、コンサルタント、起業家、組織のリーナーなどのイノベーター。そして目的としているのは、アイデア創出のインスピレーション(ひらめき)を得るための実用ツールを示し、プロジェクトの効果的なスタートの切り方を教えることだといいます。
コロンブスやマゼラン、ケネディ大統領などの偉人の功績にまでさかのぼってイノベーションの軌跡を探り、以後は各プロセスのメソッドを示しながら解説が進められていきます。しかし、なにより大切なのはスタート前の失敗を回避すること。
そこできょうは2章「探検の出発前に」から、「イノベーションのスタートで起こる10の問題」に焦点を当ててみます。
イノベーションのスタートで起こる10の問題
新製品やサービス、ビジネスモデルをつくろうとすれば、その過程ではさまざまな問題が起こるもの。ここで紹介されているのは、著者が実際に経験した10例だそうです。しかし著者以外にも、身におぼえのある人は多いはず。「もしそうなら、安心してほしい。そう感じたのは、きっとあなただけじゃない」、著者はそう記しています。
1. 方向性の欠如なんの準備もせず、アイデアを出すプロセスが始まることはよくあるもの。多くの場合は、なにか問題が生じたり、売り上げが突然に落ちたり、予想外の強豪相手が参入してきたときだといいます。しかし方向性がなければ議論はまとまりませんし、フラストレーションがたまるだけ。だから、プロジェクトが進んでいくと急に目的が変わったりするわけです。まさに本末転倒。
2. アイデアの固定化新しい製品やサービスのアイデアを出すため、ブレインストーミングが行われることに。ところが集まった面々は、顔ぶれがいつも同じ。…