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コラム:遠のく日銀追加緩和、クロス円は円高加速か=村田雅志氏
村田雅志 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト
[東京 13日] – 為替市場ではドル高基調が続いている。2月の米雇用統計は、悪天候もあって景気減速感が強まったにもかかわらず、市場予想を上回る好結果。18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の先行きを示すフォワードガイダンスの「忍耐強くいられる(patient)」との文言が声明から削除され、利上げ開始の準備を進めるとの思惑が強まり、ドル買いの動きを後押しした。
3月12日までのドルの年初来上昇率は、対ユーロで12.1%と大きく上昇。新興国通貨では、対ブラジル・レアルで16.1%、トルコ・リラで9.7%、インドネシア・ルピアで6.0%と、ファンダメンタルが脆弱とされる通貨を中心にドルの上昇が目立っている。
こうしたなか、底堅い動きを示しているのが円である。ドルの対円での年初来上昇率は1.2%にとどまる。年初に145円ちょうど近辺にあったユーロ円は、3月10日に130円を割り込み、原稿執筆時点では128円台まで下落。レアル円は年初の45円から38円台まで下落している。
つまり、円は今年に入り、ドルに対して下落している(円安となっている)が、ユーロや新興国通貨の多くに対しては上昇している(円高となっている)。
<背景に金融政策のダイバージェンス>
円がドルを除く通貨に対し上昇している、すなわちクロス円で円高が進んでいる背景には、金融政策の違い(ダイバージェンス)がある。日銀は昨年10月末に予想外の追加緩和を実施したが、その後は金融政策の中心であるマネタリーベースの拡大ペースを年80兆円で維持したままだ。
一方、欧州中央銀行(ECB)は1月22日に資産買い入れ策を決定し、3月9日には予定通り実施。オーストラリアも市場関係者の大方の予想に反し、25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施し、政策金利を2.25%と過去最低に引き下げた。新興国ではインドとトルコが2回の利下げを実施したほか、ポーランドも政策金利を過去最低水準に利下げ。シンガポール、インドネシア、中国、タイ、韓国などアジア各国も利下げに動いた。 続く…
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