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不便さ解消へ「病院に薬局」厚労省が反発するワケ

 不便さ解消へ「病院に薬局」厚労省が反発するワケ

 規制改革会議で「医薬分業」の見直しを検討不便さ解消へ「病院に薬局」厚労省が反発するワケ内閣府に設置されている規制改革会議では、病院の敷地内に薬局を置くことを認めていない「医薬分業」の見直しを検討することとなったようです。「医薬分業」を見直す理由としては、病院を受診してから薬局まで移動しなければならないことや、院外処方になることで患者の医療費負担が増えることなど、病院と薬局が分離していることによる患者の不利益が大きいということが挙げられます。

 患者の支払う医療費のコストや利便性を考えると、病院と薬局が一体となった形でのサービスの方が患者のためになると考えているようです。

 しかし、病院と薬局が一体である方が便利そうだということは、誰にでもすぐわかりそうなものです。 ではなぜ、「医薬分業」が進められてきたのでしょうか。

「医薬分業」の恩恵を患者が感じられていないことが問題

 厚生労働省は、「医薬分業」によって、薬剤使用の有効性や安全性を高めることができる、また、薬局の関与によって薬の飲み残しを減らしたり後発医薬品の使用を推進したりすることで医療費の増大を一定程度、抑制できると考えているようです。 病院と薬局が一体になってしまうと、「儲け」を目的に薬の過剰投与が生じる可能性があり、病院に従属している薬局ではそれを監視したり批判したりできなくなるということです。 つまり、「医薬分業」の目的は、薬剤使用の有効性や安全性の確保と医療費の増大の防止にあると考えられます。

 こうした目的を見る限り、「医薬分業」は正当なものであるようにも思えます。 しかし、問題は、患者がその恩恵を感じられていないということです。 実際、患者へのアンケート調査などでは、「医薬分業」によるメリットよりも、病院と薬局が分離していることへの不満の方が大きいようです。 もっとも、この意識調査の結果だけを理由に、「医薬分業」を否定してしまうのは早計ではないかと思います。 なぜなら、このような患者の意識調査は、「目の前の利便性」という実感しやすい利益と、「医薬分業」による社会全体への利益といった実感しにくい抽象的なメリットを対比していると思われるからです。 このような比較をすれば、「目の前の利便性」を求めたくなるものですが、これでは結論の誘導にもなりかねません。

「医薬分業か否か」という二者択一ではなく、さまざまな検討を

 とはいえ、現在の制度のままでは、患者自身がその恩恵を受けていると実感できていないことも間違いありません。…

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