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南車・北車が合併。中国が鉄道分野で世界進出へ
中国の二大鉄道車両メーカー、中国南車と中国北車は3月9日、臨時株主総会を開き、合併を正式決定した。合併後の新会社の人員は17万人、売上高は3兆7000億円を超え、カナダのボンバルディア、ドイツのシーメンス、フランスのアルストムの鉄道部門の合計売上高を凌駕する超巨大メーカーとなる。いよいよ、鉄道分野でも「走出去(海外に打って出る)」戦略が本格化してきた。
新会社は、営業面でパワーアップする。これまで、両社は海外進出で互いに過当競争を続け、消耗戦を強いられてきた。今後は「オールチャイナ」として先進国企業との受注競争に挑むことができるようになる。国際的な受注競争で、新会社は中国政府の後押しを受けることができるだろう。
中国政府は、中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパにつながる「シルクロード経済ベルト」を推進するため、すでに「シルクロード基金」を創設している。しかも、中国が主導する「アジアインフラ投資銀行」が設立されれば、途上国のインフラ投資を資金面で支援しつつ、中国企業がインフラ開発を受注するというしくみができるとも指摘されている。
両社の合併によって技術力もアップすると見られている。これまで、南車は川崎重工、ボンバルディアと、北車はシーメンス、アルストムと技術協力を結んできた。こうした先進技術を集結することによって、先進国企業に匹敵する技術力が生み出される可能性がある。従来、輸入に頼ってきた駆動・制御系などの基幹部品の内製化も進むだろう。
新会社は、日立製作所〈6501〉や川崎重工業〈7012〉といった日本勢にとっては大きな脅威となる。すでに昨年10月、米マサチューセッツ湾交通局の地下鉄車両に、日本、欧州、韓国は北車と競い合ったが、結局北車が受注した。
北車は現在、米国、ロシア、ブラジル、タイなど約30の国と高速鉄道輸出で交渉中とされている。こうした競争で、新会社がさらに手強い競争相手となるのは間違いなさそうだ。(編集担当:久保田雄城)