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徘徊する親が“こちらの世界”に戻ってくる、魔法の認知症ケア「ユマニチュード」とは
■ まるで魔法のように穏やかになる
介護現場で最近注目されている先進的な認知症ケアがあると聞きました。
言うことを聞いてくれず、介護者を困らせる認知症の患者が「まるで魔法のように」といわれるほど穏やかに前向きにケアに応じるメソッド「ユマニチュード」です。
ユマニチュードを考案したのはフランス人のイヴ・ジネスト氏とロゼット・マレスコッティ氏。ふたりはもともと介護の専門家ではありませんでした。体育の教師として病院職員の教育を担当したことから介護に携わることになったそうです。
ふたりは医療と介護の現場での試行錯誤を繰り返し、36年ほど前にその技法を確立。今ではフランスはもとより欧州各国の介護現場で導入されているとのことです。
資料を当たると、ユマニチュードを日本に紹介したのは東京医療センターの本田美和子医師。雑誌でこの技法と効果を知ったことがきっかけで2011年にフランスにジネスト氏を訪ね研修に参加し、日本に普及させることを決意したそうです。つまり日本に紹介されてまだ3年あまり。まだ浸透しているとはいえませんが、先進的な介護現場では注目されているようです。
▼なぜ看護師は敵視されるのか
「介護ドキュメント【15】(http://president.jp/articles/-/13707)」でも書きましたが、私は認知症が進行する父に苛立ち、声を荒げたこともありました。それを深く後悔した経験があります。そんなこともあって(もう遅いのですが)、「まるで魔法のように介護者を受け入れる認知症ケア」という表現に興味を覚えました。
そこでYou Tubeで検索したところ、ユマニチュードを取り上げている映像が何本もあったので見てみたわけです。なかでも目を見張ったのは、ジネスト氏が来日して技法を実践しているところを特集したテレビの報道番組でした。
印象に残ったのは病院で認知症患者にケアをするシーン。まずは通常通り、女性看護師数人が、認知症のおじいさんに口腔ケアを行うところが映されました。
「お口のなかをきれいにしますからね」
と看護師が優しく声をかけるのですが、おじいさんは頑として口を開きません。ケアを済ませたい看護師は、口調は優しいものの手で口を開こうとします。それに対し、おじいさんは声を上げて拒絶しました。
続いて映されたのは看護師がおじいさんの体を拭こうとする映像。おじいさんは点滴の針を抜くことがあるようで体を拘束されている。…