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慢性的な病気や障害を抱えながら、クリエイティブに働くということ
99u:2年前の、ある雪の日のことです。私は、2時間後に戻るつもりで、ランニングに出かけました。人生初のマラソンに向けてトレーニング中で、「長い時間ゆっくり走ること」を毎週日曜日の日課にしていたのです。雪が降ろうがなんだろうが、サボるわけにはいきません。走り終えるまでは、他のタスクに着手しないと決めていたからです。
しかし、ようやく家に戻ったのは、5日後のことでした。片腕は、肩から手首までギプスに包まれた状態です。あの日曜日の夜、私は、6時間の緊急手術を受けました。ランニング中に氷で滑り、ひじを複雑骨折してしまったのです。折れた骨が、皮膚を貫通していました。腫れと神経損傷の可能性から、入院が決定しました。
2年たった今、私は、一生障害が残るという事実を受け入れなければならない状況に置かれています。利き腕と手の痛みも、消えることはありません。事故から最初の数カ月は、かなりのサバイバルモードでした。でも今では、iPadでの片手入力を習得して、速く入力できるようになっています。
もう腕が治ることがないとわかったとき、私はもがき苦しみました。これからどうしろって言うの? どうやって前に進めばいいの? どうやって生産性を保てばいいの? 私の成功はどうなるの? 片手でしか入力できないし、痛みもあるっていうのに。
人生には、いろいろなことが起こります。ケガをしてしまえば、たとえ頭脳労働であっても、生産性が妨げられます。永遠に健康でありたいと願っていても、そうならないことも多々あるのです。ケガに苦んだ私は、この問題をオープンに話せる相手を探しました。
自分の置かれた状況への対処法を学ぶ中で、幸運にも、深刻なケガや病気を持ちながら、極めて生産的な生活を送っている人たちと話す機会がありました。そこでわかったのは、病気への対処法は、人それぞれ違うこと。
英国に住むデザイナー、Rachel Shillcockさんは、「Access to Work Scheme」(就労支援制度)を利用しています。政府の補助を受けて、人間工学に基づいた椅子と、調節可能なデスクを買いました。それらのおかげで、過可動性症候群に伴う痛みを感じずに、長時間仕事に取り組むことができています。
「状況をいくら説明しても完全に理解してもらえることはできなかったので、誰かに雇われて働くのは大変でした。だから、1人で働くことに決めました。私は、自分の限界も困難もわかってますから。…