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[FT]ペトロブラス汚職が水差すブラジル緊縮策
ブラジルの通貨レアルは4日、ドルに対して10年来の安値をつけた。背景には、政治家らを巻き込んだ国営石油会社ペトロブラスを巡る汚職疑惑が、同国の緊縮策を阻害するのではないかという懸念が高まっていることがある。
ルセフ大統領と連立を組む中核政党、ブラジル民主運動党(PMDB)のレナン・カリェイロス上院議長が、ブラジルの財政赤字拡大食い止めに不可欠だと思われた重要な財政措置を議会で阻止したことを受け、レアルは対ドルで2.2%下落し、1ドル2.9947レアルをつけた。
ペトロブラス本社前を警護する警官。スキャンダルへ抗議するデモ参加者らが脇を通る(4日、リオデジャネイロ)=ロイター
これは折しも、同国史上最大といわれるペトロブラスの汚職疑惑に関与したとされる、主に政治家ら54人の捜査を検察当局が最高裁に求めたのと時を同じくしていた。国会議員への正式な捜査は、ブラジル最高裁の許可が下りないとできない。
■上下院議長、関与の疑い
国内メディアは、検察側が握る非公表の容疑者リストにPMDBのカリェイロス氏と党役員で下院議長のエドゥアルド・クーニャ氏の名前があがっていると伝えた。
両者は4日、ともにコメントを控え、汚職疑惑への関与を否定した。一方地元メディアは、両者が政府の財政措置を阻むことで、捜査からPMDBを守るようルセフ氏に圧力をかけている可能性があると伝えている。
「カリェイロス氏の名前が浮上したことで、政府を人質に取り、同氏自身の影響力を強めてしまう可能性がある」と、米調査会社ユーラシアグループのアナリスト、クリス・ガルマン氏は今回の動きについてリポートの中で指摘した。
政治家を巻き込んだ捜査は、ペトロブラスの汚職疑惑で決定的な瞬間を迎えている。同社の汚職疑惑は、かつて急成長していたブラジルの石油・ガス分野を既に停滞させており、今年景気後退を一層深刻化させる恐れがある。
同国の石油開発を実質上独占する国内最大の企業ペトロブラスには、同社の幹部が契約の見返りとして複数の大手建設会社から賄賂を受けていたという疑惑で動揺が広がっている。賄賂の大部分は主に連立与党の政治家に流れたとされている。
この疑惑は、既に困難に陥っているルセフ氏の描く政治的・経済的シナリオを一層複雑にしている。ルセフ氏は2014年10月に実施された大統領選を、最近の同国の歴史上もっとも僅差で逃げ切り勝利した。労働党の中心的連立与党であるPMDBは、いまや議会における最大政党であり、ルセフ氏に対してより大きな権限を委譲するよう迫っている。