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【食】見ためも味もワラビじゃないのに、なぜ 「わらび餅」?
わらび餅っておいしいですよね。モチモチ、プルプルの食感と、ほどよい甘さ。見ためが涼しげなので、夏の和菓子としても重宝します。
でも、あのお餅、色も形もワラビっぽくないし、ワラビの味がするわけでもないのに、どうして「わらび餅」という名前なのでしょう。
■わらび餅の原料は 「わらび粉」。精製するのに手間がかかる貴重品
わらび餅の原料は「わらび粉」です。わらび粉は、今が旬のあの山菜、ワラビの根から採れるデンプンです。この粉を使った菓子なので、「わらび餅」という名前がつけらました。
わらび粉の作り方はまず、ワラビの根(地下茎)を掘り起こし、叩いて、ほぐして、洗って、デンプンを取り出します。そして、これを乾燥させると、わらび粉になります。
この精製法は葛粉を作る過程と同じですが、わらび粉は葛粉に比べて非常に手間がかかります。
すべて手作業でわらび粉を作る場合、10kgのワラビの根から取れるわらび粉は、わずか70g。根を掘り起こす作業は冬の寒い時期に行われ、しかも、寒さが厳しいときに、冷水で何度も洗わなければなりません。
100%のわらび粉になるまでには、実に半月ほどもかかります。
現在、よく目にするわらび餅は、サツマイモやタピオカから取れたデンプンや、くず粉を利用しているものがほとんどで、「わらび粉100%のわらび餅」には、なかなかお目にかかることができません。
■わらび粉100%のわらび餅はねずみ色。その歴史はとても古い
わらび粉100%で作ったわらび餅の色は、よく見かけるわらび餅のように、白っぽいものではありません。強いていえば、黒いコンニャクのような色あいで、ねずみ色です。けっして、“涼しげな夏の和菓子”という感じではありません。
平安時代の醍醐天皇(885-930)がわらび餅の大ファンであったという説もあり、わらび餅の歴史はかなり古いと思われます。
しかし、江戸時代にはすでに、くず粉などを利用したわらび餅が売られており、今、名物とされているわらび餅も、ほとんどが、100%わらび粉のわらび餅ではありません。
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http://www.tenki.jp/lite/suppl/romisan/2015/03/27/2781.html