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さおり、今日も聞いて 津波で失った娘にあて日記11冊

さおり、今日も聞いて 津波で失った娘にあて日記11冊

娘にあてて書く日記は11冊目になった。夜寝る前。娘の部屋で、娘の机で、娘の写真に囲まれながら、語りかけるように書く。

【写真】藤野紗央里さん

 あの日から4年を迎える夜。10日はこうつづった。

 《今日はすごい風。時々雪まで舞う。明日、紗央里(さおり)の日も寒くなりそう。お父さんと行くからね》

 岩手県陸前高田市の藤野順子さん(60)は、津波で一人娘の紗央里さん(当時25)を亡くした。勤め先の市役所から1・5キロ離れた海沿いで遺体が見つかったのは、震災の2週間後。後を追いたいとさえ思った。

 そんな藤野さんに、以前に夫を亡くした近所の女性が「寂しかったら日記を書くといいよ」と声をかけてくれた。

 2階の紗央里さんの部屋で、淡い緑色のノートを見つけた。開くと、娘の書きかけの文字。その続きにボールペンで一文字一文字、ゆっくり書いてみた。

 《さおりにきいてもらったり、伝えたり相談にのってもらうような気持ちで書きます。お母さん、そうでもしなければ生きていく力がなくなってしまいそうだもの(2011年4月26日)》

 書いてみると、言葉が次々に浮かんできた。

 《さおりの使ったバスタオルをお父さんとお母さん使わせてもらっているよ。お母さんはキティーちゃんの青いタオルを枕カバーがわりに使っています。夢で会いに来てくれるかも知れないと思って

 広田湾の海は風が少しあるけど、静かだよ。今日は》

 娘がそばで聞いてくれているような気がした。

 ある日、幼い頃の娘が夢に出てきた。その頃の呼び名でも書くようになった。

 《朝起きて泣いて、お墓に行って泣いて、車で泣いて、お風呂で泣いて、お部屋で泣いて。ちゃーちゃん。ちゃーちゃんに会いたいよ(5月13日)》

 娘は人気アイドル亀梨和也さんの大ファンだった。震災の前年、韓国ツアーへ行って友達を何人もつくって帰ってきた。亡くなって最初の誕生日には、ファンの友達や同級生たちが贈り物や手紙で祝ってくれた。

 《お友達からプレゼントが届き、紗央里としあわせ気分を分かちあって、お母さんも「しあわせ」になりました(11月15日)》

 節目の日に訪ねてくれる友達の話の中に、初めて知る娘がいる。一人っ子で甘えん坊と思っていたのに自分から声をかけて友達をつくっていたなんて。男性からももてていたらしい。

 《楽しい青春したね。みんなお母さんの為にひみつを打ち明けてくれるね。紗央里がお母さんのために打ちあけてくれたんだね(12年3月11日)》

 毎月11日と、震災が起きた金曜日にお墓の花を替える。手を合わせ、同じことを祈る。

 《絶対に長生きしてしあわせな人生を送れる女性に生まれかわろうね(13年3月11日)》

 仲のよかった友達の結婚式には、娘の遺影を抱いて出席した。

 《今日はウェディングかわいかったね。白打ちかけ、赤うちかけ、パープルドレス。どれもこれも紗央里だったら(14年2月22日)》

 晴れの日に寂しさも募る。娘は結婚することはできなかった。自分ももう、孫を抱くことはない。

 最初の1年で、ノートは5冊になった。2年目は3冊。3年目は1冊半。

 最初はあふれる思いをノートに落とした。最近はその日のことを静かに記すことが増えた。記すペースが落ちたのは、体調が優れない日が増えたこともある。週に3回、人工透析の治療を受けている。

 体調を崩して10年前に中学校の音楽教師を退職してからは、娘との時間が生きがいだった。娘がいなくなり、一緒に習い始めた日本舞踊もやめた。何をするにも気力がなくなった。

 震災の年の夏に、息子と娘を亡くした知人の女性から「子どもたちに恥ずかしくない生き方をしたい」と聞いたことがあった。自分は決してそんな気持ちにはなれない、と思った。

 それが、少しずつ変わった。今年1月、生け花の稽古に足を運んでみた。

 《ちゃーちゃん、4年ぶりにお花のおけいこ。たくさんおしゃべりもしたけど、たのしかったね(1月19日)》

 そういえば最近は、「今日も泣いたよ」と語りかけることも少なくなった。悲しさは変わらないのに、どうしてなんだろう。

 一つだけ言えるのは、娘がいつも一緒にいて、支えてくれているということ。

 11日、今年も友達から花やぬいぐるみが届いた。お墓に行き、手を合わせ、語りかけた。

 ちゃーちゃん、いつもありがとう。(杉村和将)

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