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パナソニック、発光効率と放熱性能を改善した照明用途向け白色LEDを発表
パナソニック デバイス社は2月21日、発光効率と放熱性能を改善した照明用途向け白色LEDを発表した。
各種照明用途におけるLED化が進んでいるが、LEDにはさらなる省エネ/長寿命が求められている。それを実現するためには、より少ない消費電力で明るく光る発光効率の向上のほか、発熱による出力低下や断線などの故障を防ぐための放熱性の向上、そしてデザイン性向上に向けたさらなる小型化などが求められている。
今回開発されたLEDはそうしたニーズに対応することを目的に開発されたもので、3つの特長を持つという。1つ目は、光取り出し効率の改善により高効率化を図った点。高出力LEDチップを搭載し、光取り出し効率を改善したパッケージを採用することで、従来品に比べて10%の効率向上を実現したとする。また、色温度は5000K(Ra≧80)を軸に、色温度展開を進めていく方針としている。
2つ目は、フラット形状パッケージの採用により高放熱化・小型化を実現した点。フラット形状パッケージを採用することでLEDチップから発生する熱を直接基板側へ放熱できるようになるため、熱抵抗を従来品に比べて66%低減することに成功した。また、パッケージサイズを従来品に比べ、面積を39%低減、厚みを25%低背化することに成功。この小型化により、照明設計におけるレイアウトの自由度が向上し、デザイン性を重視した設計が可能になるほか、形状を正方形に近づけたことで、LEDを等間隔に配置することやアウターレンズが小型化できるようになったとしている。
そして3つ目は、独自の硫化バリア技術により高信頼性を実現した点。硫化対策として銀めっきの代わりに金めっきを用いるなどの方法があるが、銀めっきの方が光反射率が高く明るくなること、金めっきに比べ安価であることなどから、銀めっきを用いるのが一般的となっている。しかし、銀めっきは硫化しやすいため対策をしていないLED照明では、通常使用1万時間で約30%の輝度低下をもたらす場合があるほか、急激な硫化が断線を起こす可能性もあるが、同製品では日本コルモと共同開発した硫化バリア技術を用いることで銀めっきの硫化を防ぎ、高信頼性を実現したという。これにより、LED照明器具で硫化対策をせずに設計することが可能になるという。
なお同製品は、2013年4月より月産1億個以上で量産を開始し、順次増強を図る計画。硫化バリア技術対応製品は7月にサンプル出荷を開始し、2013年11月に量産開始の予定だという。
今回商品化された照明用白色LEDのパッケージ外観
今回商品化された白色LEDの暫定仕様