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次世代ハイブリットロケットの燃料が「ぷっちょ」なワケ
UHA味覚糖のキャンディ『ぷっちょ』を燃料の一部とする、世界初のハイブリッドロケットの打ち上げが3月7日に成功! 到達高度248メートルを達成した。
「キャンディでロケットを飛ばす」
言葉だけ聞くと、お遊びなの? とも思える話。だが、この『CANDY ROCKET PROJECT』はいたって真面目だ。なにせ、メンバーには秋田大学秋田宇宙開発研究所の和田豊所長、和歌山大学宇宙教育研究所の秋山演亮所長、国立天文台チリ観測所の阪本成一教授など、宇宙開発に関するエキスパートたちが参加しているからだ。
■ 固体燃料にキャンディを使用
打ち上げられたのは、『ぷっちょ』20粒を使ったハイブリッドロケットと呼ばれるタイプだ。ハイブリッドロケットとは、固体の燃料と液体の酸化剤を混合させることで推進力を出す、最新エンジンシステムを搭載したものをいう。
従来タイプに比べ、エンジン稼働時以外は燃焼しないため、より安全だ。また、固体燃料などがより安価なもので代用できるため、コスト面も優れている。しかも、さらにパワーアップできるなど、メリットは多い。現在、JAXA(宇宙航空研究開発機構)をはじめ、大学などの様々な研究機関で開発が進められている、次世代ロケットのひとつだ。
つまり今回の『CANDY ROCKET』は、2つの燃料のうち、固体のものにキャンディ(ぷっちょ)を使ったというワケ。仕組みは、キャンディが詰まった燃焼器に酸化剤として液化ガスを投入。すると、キャンディが溶けながら燃えてガス化し、勢いよく噴射する。ロケットは、その推進力で大空へ飛翔……といった感じだ。
■ 宇宙食が緊急脱出用の燃料に使えるように!?
さて、実験が成功した『CANDY ROCKET』だが、今後キャンディが宇宙ロケットの燃料として使えるようになるのだろうか?
プロジェクトに参加した1人、秋田大学秋田宇宙開発研究所の和田豊所長は、キャンディロケットの実用化実験というよりも「創意工夫すればロケットだって飛ばせるんだ」と言った。想像力の大切さや科学の面白さを世の中にアピールするのが主な目的だという。
ただ、同じくメンバーの国立天文台チリ観測所の阪本成一教授は、同じく夢をアピールしたかったと言及しつつも、「将来的に、宇宙食が緊急脱出用の燃料を兼ねたりすれば面白い」とコメントしている。
まだまだ未知数な『CANDY ROCKET』だが、最新のハイブリッドロケット・システムを使うなど、注目すべき点は多い。そして、少なくとも、多くの人に‘‘夢を与えた’’ことは確かだろう。開発者のコメントや詳細は、UHA味覚糖のホームページで見ることができる。
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