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科学技術とSF――2人のSF作家は語る、その過去・現在・未来を
2月21日、日本SF作家クラブが主催する「第35回日本SF大賞」の受賞作が発表された。受賞したのは、流れ星予報のWebサービスを担当するエンジニアを主人公に描いた『オービタル・クラウド』(藤井太洋/早川書房)と、過去10年間で書いた3作品と新たに書き下ろした新作を1冊にまとめた短編集『My Humanity』(長谷敏司/早川書房)の2作品。
eBook USERでは受賞者の二人による対談をセッティング。SF作家という視点から見た科学技術の進歩や、これからのSF作家に求められるもの、2010年に元年を迎えた電子書籍についても語ってもらった。受賞作はいずれも早川書房から出版されたということもあり、対談は早川書房の会議室で行われた。
●自分の専門分野で危機を突破していくという作品が書きたかった
―― 本日はよろしくお願いします。記事の読者にはお二人をご存じの人も多いかと思いますが、念のため自己紹介をお願いできますでしょうか。
藤井 『Gene Mapper』のセルフパブリッシングでデビューした藤井太洋です。「Gene Mapper」を出版したのは2012年の7月でして、まだ丸3年も経っていない若手作家です。
光栄なことに、長編2作目の「オービタル・クラウド」で日本SF大賞を受賞することになりまして、大変うれしく思っております。どうぞよろしく。
長谷 長谷敏司です。デビューは2001年12月で、2009年ぐらいからSFの仕事をするようになりました。いまはライトノベルとSFで二足のわらじを履いています。本日はよろしくお願いします。
藤井 長谷さんは作家デビュー後、すぐに専業作家になられたんですか?
長谷 もともと病気持ちだったこともあって、職に就いてなかったので、デビュー後はそのまま専業作家になりました。
1作1作自分のできることを広げていこうと考えながら書いてはいるんですけど、藤井さんみたいに1作ごとに読者層を広げていこうという戦略はなかったです。
藤井 いやいや、私も読者層を広げる戦略があったわけではないですよ。
長谷 え、そうなんですか。
藤井 もちろん、読んで楽しんでくれる人が増えることは期待しましたけど、1作目の「Gene Mapper」は、もともと友人に読ませるつもりで書いた物語なんです。特にセルフパブリッシング版は。テクニカルタームをほとんど説明せずに物語を書いていたりだとか、実在の言動を元にした映像を登場させたりだとか、読む人が読めばすぐに誰だか分かるような作品になっています。…