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複合素材対応の3Dプリンターなどをアピール! セイコーアイ・インフォテックが注目を集めた「TECH Biz EXPO」
愛知県の名古屋市国際展示場において「第4回次世代ものづくり基盤技術産業展 TECH Biz EXPO」が10月22日から24日にかけて開催された。素材変化に対応し、製造プロセスの高度化に寄与する技術産業見本市というテーマで開催された本展示会では、セイコーアイ・インフォテックも最新の3Dソリューションのプロモーションを実施。会場では多くの人々が豊富なサンプル展示を前に、具体的な質問を展開するなどブースを賑わわせていた。
現場を知る来場者の多い「第4回次世代ものづくり基盤技術産業展 TECH Biz EXPO」
今年、セイコーアイ・インフォテックは全国各地で行われる展示会に積極的に参加してきた。6月には東京の「第25回 設計・製造ソリューション展示(DMS)」、9月には大阪の「第18回 関西 設計・製造ソリューション展(DMS関西)」に出展したが、10月には名古屋で開催された「第4回次世代ものづくり基盤技術産業展 TECH Biz EXPO」に出展した。
東京では、セイコーアイ・インフォテックが長年手がけてきたCAD図面出力プリンターや3Dプリンターを、大阪ではデスクトップで利用できるコンパクトな3Dプリンターの展示を行ってきたが、名古屋では大型のフルカラー3Dプリンター「ProJet 4500」と、3Dスキャニング設計システム「Geomagic Capture」のデモンストレーションと、セイコーアイ・インフォテックが取扱うProJertシリーズで作られたさまざまな造形サンプルが展示されるブースとなった。
ブースには常に来訪者がいる状態で賑わっていた
世界初のフルカラープラスチック3Dプリンター「ProJet 4500」
3Dスキャニング設計システム「Geomagic Capture」
セイコーアイ・インフォテック 営業部 3Dソリューション プロダクトマネージャー 町田 林氏
各都市を回ってきた感想として、セイコーアイ・インフォテック 営業部 3Dソリューション プロダクトマネージャーの町田 林氏は「大企業の本社機能が集まる東京では研究目的の来訪者が多かったのに比べて、大阪ではより現場に近い視点を感じました。そして名古屋では、自分たちが作りたいものを、これからの3Dプリンタ―への可能性も含めた質問が多かったのが印象的です」と語った。
早々に満席となったセミナーで町田氏が講演
町田氏は当日「カラー樹脂系粉末と複合樹脂の技術とその応用~ProJet4500、5500X~」と題したセミナーも開催。事前登録制のセミナーはいち早く満席になるなど、3Dプリンターと、それを販売するセイコーアイ・インフォテックへの関心の高さがうかがえた。
町田氏のセミナーは高い関心を持った来場者で満員となった
このセミナーでは、セイコーグループで3Dプリンターをどう使っているかといった実際の活用例が紹介された。「石膏素材でのプリント、樹脂でのプリントをどう使い分けるか」、「コンセプトモデルとワーキングモデル、マスターモデルでそれぞれどんなポイントを重視しながらプリンターを選択するか」といった活用例とともに、各プリンターの特色も紹介。時計のケース部のような細かな造作が可能なものや、手首に巻くバンド部分など柔らかい質感が必要な部分をいかに造形するかといった実践例が挙げられた。
特に取り上げられたのは「ProJet 4500」と「ProJet 5500X」の2モデルだ。当日展示も行われていた「ProJet 4500」はプラスチック素材でフルカラーを表現できることを特色としている。
「色がつくことで実物がイメージしやすくなります。これまでカラー出力が可能なものといえば石膏素材でしたが、石膏は慎重な扱いが必要です。プラスチックで作れるProJet 4500なら曲げ強度や弾性もあるため扱いやすく、水を入れたテストなども可能です」と町田氏は特色をアピールした。
「ProJet 4500」で作られたサンプル
また、「ProJet 5500X」の有用性も強調された。バンドなど、実際に手首に巻き付けることができる柔らかい出力が可能になるのは、2つの材料を混ぜ合わせて利用できる複合材料対応モデルだからだ。
白く堅く仕上がる材料と、黒く柔らかく仕上がる材料の配合を変化させることで、造形物の柔軟性が変わる。「ゴムそのものではなく疑似素材なのでゴムライクという言い方になりますが、非常に柔らかいものまで作れます。堅い部分と柔らかい部分を、従来機にない高い精度で、一体化して作ることもできるのが特徴です」と町田氏は語った。
「ProJet 5500X」で堅い部分と柔らかい部分を混在させた造形サンプル
「ProJet 5500X」に注目大!
当日のブースでは、各種3Dプリンターによる出力サンプルを実際に手にとって体験することもできた。特に、触ってみないと堅さと柔らかさの混在する感触がわかりづらい「ProJet 5500X」のサンプルに関しては、多くの人が興味を示していた。
「ProJet 5500Xは異なるマテリアルの配合比率により、ゴムのような質感や特性を持つ部分とABSのような硬い部分が混在する造形サンプルをつくることができます。例えばタイヤのように重くやや硬質なものから、時計バンドのように柔軟性に富んだものなども造形できます」と町田氏は語った。
タイヤから腕時計のベルト部など、柔らかい素材のサンプルも多数展示された
堅くしっかりした感触の造形も「ProJet 5500X」では行える
本展に「ProJet 5500X」は出展されていなかったが、東京都江東区のセイコーアイ・インフォテック東京ショールームにProJet5500Xをはじめ、さまざまな3Dプリンターが常設されているので、実際に実機を見たり、データを持ち込んでの造形物の確認などができるようになっている。
マルチマテリアル3Dプリンター「ProJet 5500X」
柔らかい素材と堅い素材をうまく組み合わせて実際の動きや触感まで再現したサンプルも用意
このほかにも大阪と名古屋のショールームにも3Dプリンターを常設しているので、近郊のセイコーアイ・インフォテックのショールームを訪れてみるのもよさそうだ。