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3Dプリンターで陶磁器量産? 佐賀県窯業技術センターが開発

3Dプリンターで陶磁器量産? 佐賀県窯業技術センターが開発

佐賀県窯業技術センター(同県有田町)は25日、3Dプリンターで有田焼の主原料の天草陶石を使い、陶磁器を量産する技術の開発に成功したと発表した。「型」を使わない3Dプリンターでの生産は、プラスチックなどではできたが、陶磁器原料で成功したのは国内初という。センターは「2016年に創業400年を迎える有田焼の次の100年につながる技術開発」としている。

 有田焼など陶磁器の量産は石こうの型に陶土を入れて作るのが一般的だ。開発は2013年度に着手し、2年がかりで成功にこぎ着けた。完成品の立体画像をコンピューター上で制作し3Dプリンターで出力すると、天草陶石の粉末がまかれ、その上に製品の形に沿って接着剤が噴霧される。それを繰り返すと層が積み重なり、徐々に製品が形成される仕組みだ。取り出した生地を1300度で焼成すると完成する。

 現在は通常の磁器の20%ほどの強度で、造形の精度、自由度も今後改良が必要だが、鎖状につながったり穴が多数開いたりした複雑で細かい形でも製作が可能になる。1個数万から数十万円する型の製作費や手間も省け、少量生産時のコスト削減に有力な手段として期待がかかる。開発したデザイン担当係長の副島潔さん(49)は「有田焼が創業400年を迎える16年内には実用化を目指したい」と話した。

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