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ADI、レーダシステム向けレシーバ開発プラットフォームを発表

ADI、レーダシステム向けレシーバ開発プラットフォームを発表 

 Analog Devices(ADI)は12月11日、小型で軽量、かつ低消費電力(SWaP)構築が求められるレーダシステム向けに、ダイレクトコンバージョンレシーバ開発プラットフォーム「AD-FMCOMMS6-EBZ」を発表した。

 同製品は、LおよびSバンド周波数のレーダ帯域に対応する400MHz~4.4GHzのレシーバ(フィルタ組み込みにより1350MHz~1650MHz)である。プラットフォームはVITA 57準拠のフォームファクタで、FMC(FPGAメザニンカード)プラットフォームへのシームレスな接続を保証している。また、小型フットプリントで、高度な集積化と優れた性能が求められる防衛や通信、さらには早期警報検出、気象監視、航空管制システムなどの計測機器用レーダシステムに適している。

 そして、「AD-FMCOMMS6-EBZ」は、デュアル16ビットA/Dコンバータ(ADC)「AD9652」、高ダイナミックレンジRF/IFデュアル差動アンプ「ADL5566」、および直交復調器「ADL5380」を組み込んでいる。さらに、包括的な設計サポートパッケージが用意されており、回路図、レイアウトファイル、ノイズ解析ワークシート、FPGA HDL(ハードウェア記述言語)コード、およびソフトウェアドライバが含まれている。

 一方、通常のスーパーヘテロダインレシーバの場合、設計者は複数回の周波数変換を行う必要がある。これに対し、「AD-FMCOMMS6-EBZ」は、周波数変換がわずか1回で済むように1つのI/Q復調器でダイレクトコンバージョンを行う、ゼロIFアーキテクチャを構築している。これにより、レシーバの複雑さやコンバージョンステージの必要数を節減し、性能の一層の改善と消費電力の低減を実現する。同アーキテクチャは、イメージ除去の問題や、A/Dコンバータ(ADC)への入力をフルスケールに保つためのアンプ段の追加による不要なミキシングを削減できるのに加え、I/Q変調方式がイメージ除去機能を備えているため、高価なアンチエイリアスフィルタが不要になる。さらに、オンボードローカルオシレータやコンバータのクロックは、同じリファレンス信号を共用し、スミア(白飛び)現象を防ぐ。

 そして、同プラットフォームには、フルのダイレクトレシーブシグナルチェーンパスが組み込まれており、帯域幅は220MHz、パスバンド平坦性は±1.0dBとなっている。また、復調器「ADL5380」のRF入力範囲は400MHz~6GHzで、5V単一電源で動作する。4.5GHzデュアル差動アンプ「ADL5566」はIFやDCアプリケーション向けに最適化されており、16dBのゲインを提供する。デュアル16ビット310MSPS ADC「AD9652」は業界最高のスピードで最低レベルのノイズを達成し、これまでより遠方にあるターゲットの特定が可能となる。この他、145MHzのIFにおいて測定したSNRやSFDRは、それぞれ、64dBおよび78dBc。さらに、オンボード機能として、パワーマネジメントやファンアウト付きクロック分配機能を備える。

 なお、価格は650ドル。すでに販売を開始している。

 レーダシステム向けダイレクトコンバージョンレシーバ開発プラットフォーム「AD-FMCOMMS6-EBZ」

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