ADI、自動車の姿勢制御などに向けた車載用ジャイロスコープを発表

　

　Analog Devices(ADI)は、自動車の姿勢制御機能、トールオーバー検出、縦揺れ検出アプリケーション向けジャイロスコープ「ADXRS800 iMEMS」を発表した。

　同製品は、独自アーキテクチャ「クワッドビーム」を採用することで、厳しい環境においても直線加速度に対する感度0.03°/s/g、振動への感度0.0002°/s/g2、ノイズ密度は+105℃で0.015°/s/√Hz、オフセット誤差は温度と製品寿命による誤差を合わせて最大3°/sを実現している、

　キャプション:クワッド構造として、4つのセンサ素子を配置、2つの素子を機械的リンクで接続することで、すべての方向からの振動、衝撃に対する耐性を向上させることで、高い感度を実現している。

　また、角速度の測定範囲は最高±300°/sで、80Hzのローパスフィルタを内蔵し、0.16°/s rmsのノイズ性能と80LSB/°/sの分解能を実現している。ノイズが乗りやすい共振周波数(14kHz)でも、加速に対する感度はデュアル構造の前世代品が0.8°/s/gにであるのに対し、0.3°/s/gを実現しているほか、角加速度に対しては前世代品が0.2(°/s)/(rad/s2)であるのに対し、0.0006(°/s)/(rad/s2)を実現したという。

　「ADXRS800 iMEMS」の各種特長

　さらに、連続セルフテスト・アーキテクチャを搭載。これによりプロセッサ側での故障検知アルゴリズムを簡略化できるため、システム設計者は故障検出機能を容易に搭載することが可能となっている。

　加えて、センサの動作診断は検出素子構造による高周波の静電気力を印加することで、フィルタリングにより静電気力印加による振動(連続セルフテスト信号)を抽出するもので、連続セルフテスト信号によるセンサの動作診断結果は出力データフレームの一部としてプロセッサに送信され、これによりシステムはセンサの動作状態を常に監視することが可能となることから、自動車の運転中でも動作の診断をリアルタイムで行うことが可能となっている。

　連続セルフテストの機能により、運転中でも動作のチェックが可能となし、安全性を向上させることが可能となる

　なお、同製品は動作温度範囲-40℃～+125℃に対応するキャビティ・プラスチックSOIC-16パッケージ(Z軸)およびSMT互換の垂直実装パッケージ(X軸)ですでに提供されており、1000個受注時の単価は各50ドル(米国での販売価格)となっている。