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Altera、最大30A供給のデジタルDC-DCコンバータを発表 (1) 4チップで最大12OAまで出力が可能なデジタルDC-DCコンバータ

 Altera、最大30A供給のデジタルDC-DCコンバータを発表 (1) 4チップで最大12OAまで出力が可能なデジタルDC-DCコンバータ

 

 米Alteraは米国時間の3月11日、単体で30A、4チップで最大120Aまでの出力が可能なデジタル制御DC-DCコンバータである「EM1130」を発表した。このEM1130に関する説明会が都内で開催されたので、その内容をお届けしたい(Photo01)。

 Photo01:説明を行われたPatrik Wadden氏(Director, Worldwide Power Business Development, Power Business Unit)

 まずは簡単に背景を紹介。Alteraは2013年5月に、電源ICなどを手がけていたアナログ半導体ベンダーのEnpirionを買収、同社の製品ラインアップを自社製品に取り込んだ。その後、同社は自社のFPGA向けの電源ソリューションを拡充しており、今回発表されたEM1130はその最新のもの、ということになる。基本、Enpirionは同社のすべてのFPGAに対するソリューションとなっており(Photo02)、これに向けてさまざまな製品がすでにリリースされている。

 Photo02:ローエンドはLinear Regulator、ミッドレンジはDC-DC Switching RegulatorやPWM DC-DC Controller/Powertrainがラインアップ、ハイエンドにはPowerSoC DC-DC Step-Down Converterがラインアップされているが、こうした一連の製品全体がEnpirionのブランドとして提供される形

 さて、今回のEM1130はハイエンドのPowerSoCに属する製品で、Arria 10やStratix 10に向けたDC-DCコンバータである(Photo03)。Photo03にもあるように、EM1130自身は非常に小さいパッケージに納められており、実装面積の削減に効果的である(Photo04~06)。

 Photo03:なぜArria/Stratixかという話は後述。もちろんArria/Stratix専用という訳ではなく、Cyclone/MAXの製品ラインに使うことも可能だが、スペック的にはややOverkill気味である

 Photo04:外寸は11mm×17mmで、100円玉の半分ほどでしかない

 Photo05:裏面はこんな具合になっている

 Photo06:厚みは5mmほどである。ちなみに発熱に関しては、通常の動作環境であればヒートシンクは不要との事だった

 さて、ではなぜArria/Stratix向けに新製品を出したのか? という理由がこちらである(Photo07)。これらのFPGAを使って、例えばLTEの基地局とかバックボーン向けのアプリケーションを作成するといったケースでは、多数のLEを利用したりInterLakenの様な高速リンクを多数接続したりといった事が考えられる。当然これは膨大な消費電力にそのまま直結するから、これを安定供給できるようにするための電源回路をシステムデザイナーは用意しなければならない。この問題に対するAlteraの回答がEM1130というわけだ。

  Photo07:こうした電源に関する諸々の問題を簡単に解決するというのがEM1130の主な目的である

 そのEM1130であるが、構造はこんな具合だ(Photo08)。個別の特徴は後述するとして、4.5V~14.5Vの入力電源に対して0.7V~5Vの範囲で、0.5%未満の精度と10mVp-p未満のリップルを保ち、90%近い効率を実現するという、かなり効率の良い製品となっている。

  Photo08:基板上にコントローラ(CMOS)とパワートランジスタ(DMOS)が配され、その上にインダクタンスが載り、その全体をシールドケースでカバーする形状になる

 まずEfficiecyであるが、もちろん電圧や出力電流値、スイッチング速度によって効率に多少の差はあるものの、競合製品と比較して3~6%の効率改善が可能としている(Photo09)。例えば30A出力のケースでは出力電圧が1Vとすると30Wほどになるが、ここで3~6%というのは1~2Wの節約になる訳で、必要とされるFPGAの数が多いデータセンターなどではトータルすると数百~数千Wの節約に繋がり、これは運用コストの削減にもなるとする。

 Photo09:ちなみにスイッチング速度は500KHz~1250KHzの範囲であるが、一番効率が良いのは500~750KHzの範囲だそうだ

 ちなみにスイッチング速度は、システムの負荷変動状況を見ながら、変動が少ない場合にはスイッチング速度を下げて安定した供給を行い、逆に変動が多い場合はスイッチング速度を上げて応答性を上げるといったAdaptive Compensationの機能も搭載されているという。またこの機能を利用することで、例えば外部に接続したコンデンサが劣化してきた場合でも、その特性をある程度まで補償することが可能になるそうだ。

 その実装面積の話がこちら(Photo10)。EM1130では必要となる周辺回路をすべて内部に統合しているため、必要となる周辺部品を最小限に抑えられる。このため、同じボード面積であれば、より多くの機能を搭載できるようになると説明した。

 Photo10:実際にあるお客様のところでは、従来1ボードに4つしかArriaを搭載できなかったのが、電源部分の面積を詰めたことで5つ搭載できるようになり、これにより20%以上の性能改善が出来たという説明があった

電圧変更機能により、システムトータルでの電力消費量の低減を実現

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