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『カイジ』経済書著者が語る「自己内利益」を考えた働き方って、なに?

『カイジ』経済書著者が語る「自己内利益」を考えた働き方って、なに?

 

「忙しすぎて、メシ食うために仕事してるのか、仕事するために食っているのか、わからない……」

『カイジ』経済書著者が語る「自己内利益」を考えた働き方って、なに?

読者の中には、日ごろ心の中でついそう嘆いてしまうという人もいるかもしれない。また、自分のための時間があったところで有意義に過ごせるかわからない、高い収入も捨てがたい、などといった思い、考えもあるだろう。

「企業は売上だけでなく利益を考えて活動しなければ、生き残っていけませんよね。個人でもそれと同じ考え方が必要ではないかと思います。ようするに、年収だけを気にするのではなく、生活費、労力、あるいは、仕事で受けるストレスなどを差し引いた上で、自分にどれだけ利益が残るのかが大切。ボクはこれを『自己内利益』と呼んでいます」

そう話すのは、『カイジ「命より重い!」お金の話』『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』などの著書で知られる、経済ジャーナリストの木暮太一氏。たしかに、どれだけ高い収入を得ても、手元にお金が残らない、体を壊してしまう、などの状態に陥ってしまえば何の意味もない。

木暮氏は今でこそフリーランスとして活動しているが、大学卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートと名だたる企業で活躍してきた人物。そう聞くと、意識高い系のバリバリ仕事をこなす人、といった先入観を持ってしまいそうだが、意外にも「ゆったりした時間が好き」だと話す。

「ボクが育ったのは千葉県船橋市。といっても都会的なエリアではなく、北総鉄道という日本で2番目に運賃の高い私鉄を使わないと行けないような、船橋でも奥地の方で育ちました(笑)。そんな人間なので、サイバーエージェント時代には自然の多い鎌倉へ移住。周りは会社の近くに住む人が多かったので、『そんなに長い通勤時間をかけているなら、毎日、小旅行だな』とからかわれましたが」(木暮さん)

これらの木暮氏の発言は、3月1日に開催された「地方移住クリエイターサミット2015 in TOKYO」というイベントでのもの。クリエイター・エンジニアの移住プロジェクトを進める福岡市が主催したものだが、福岡に限らず北は北海道から南は沖縄まで、地方で生活するクリエイターが一同に会し、木暮氏とともに地方での仕事、暮らしについてクロストークも行われた。

自身も東京からちょっと離れている鎌倉へ移住した木暮氏だが、日々仕事に疲れている人にとって、地方移住はオススメの”処方せん”なのだろうか?

「『東京がゴチャゴチャしてて嫌だから、地方へ』という考えでは、移住しても別の課題に直面してしまうでしょう。『仕事を通じて、誰かの役に立つか?』、そして『自分が1番大切にしたいものは何か?』をきちんと考えることが必要です。その上で、お金だけでは幸せになるのが難しいかも……と感じている人には、地方移住が大きな選択肢となるでしょう」(木暮氏)

なお、トークセッション後の懇親会で地方在住のクリエイターに話を聞いてみると、「『仕事あるの?』ってよく聞かれるけど、めちゃくちゃあります! なので忙しいですが、それでも地方ならではのゆったりとした時間の流れがあるので、バランスのとれた生活が送れていますね」との発言も。誰かのため、そして自分のために仕事をしたいとの思いを持っているならば、地方での暮らしも考える価値がありそうだ。

■参照リンク
ぼくらの福岡クリエイティブキャンプ

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