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ミュージシャンの必殺技、セルフタイトル作に名盤は多いのか?を検証する

ミュージシャンの必殺技、セルフタイトル作に名盤は多いのか?を検証する

■剛力彩芽『剛力彩芽』のインパクト

今週リリースされた剛力彩芽の1stアルバムのタイトルが『剛力彩芽』だと知って、その英断に膝を打った。「全国で12世帯しかいない(剛力彩芽談)」という名字、「剛力」を連呼させるインパクトはなかなか強い。これまでにリリースされた3枚のシングルは、それぞれ“友達より大事な人”“あなたの100の嫌いなところ”“くやしいけど大事な人”という、原題を無視したラブコメ映画の邦題のようなポップなタイトルだった。その後に投じられるからこそ、剛力彩芽『剛力彩芽』が強烈に響く。

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本作のキャッチコピーは「ポジティブ!ハッピー!カラフル!剛力彩芽!」で、初回限定盤Bのジャケットには、『キン肉マン』の作者ゆでたまごが、同作に登場するカプセル怪獣「ゴーリキ」風に描いた剛力彩芽の絵が使用されている。かなりアクロバティックな売り出し方を選んでいるが、剛力彩芽『剛力彩芽』というタイトルがそれを豪快に引っ張っていく。セルフタイトルをこれほど直接的なインパクトとして使える人も珍しい。

■セルフタイトルを使えるチャンスは1度だけ

AerosmithやAC/DCなど、数々のロックバンドを手掛けた伝説的なA&R(アーティストの担当者)であるジョン・カロドナーは、アルバムのブックレットに自分の名を記す際、通常であれば「A&R:John Kalodner」とするところを「John Kalodner:John Kalodner」と明記してきた。名刺もこの表記だという。彼には「私はジョン・カロドナーという仕事をしている」、つまり「自分にしかできない仕事をしている」という自負があった。だからこそ、本来の肩書きを表記せず、肩書きを自分自身にしてきたのだ。

ミュージシャンはセルフタイトル作を出すことが多いが、ジョン・カロドナーの理論で言えば、「自分(達)にしかできない音楽が出来た」と強く感じたタイミングでセルフタイトルを投じるのだろう。ミュージシャンは新作を出すたびにインタビューで「今回こそ最高傑作!」と答えがちだが、セルフタイトルという「必殺技」はさすがに1度しか使えないため、それなりのシグナルになる。

■なぜセルフタイトルにしようと思ったのか

セルフタイトルにする理由は様々だ。セルフタイトルにした理由を既出のインタビューからいくつか拾ってみる。「もう単純に、この8曲を集めたらセルフタイトル以外思い浮かばなかったです。今回は、やってることや伝えたいことに迷いがなくて、今までで一番嘘がないアルバムになったからかもしれないね」(まつきあゆむ / 「CINRA.NET」より)というベーシックな理由から、「いろんなことを想像してくれたらいいなって思うんですけど、僕らとしては、そこまで強い思いを込めてるわけではなくて」(大橋卓弥 / スキマスイッチ / 「音楽ナタリー」より)と特に思い入れはないと語るパターンもあれば、「ファーストじゃなくて3作目やそれ以降にセルフタイトルのアルバムを作るバンドはいっぱいいるから、そういうので遊んでみたような感じ」(アンドリュー・ヴァン・ウィンガーデン / MGMT / 「Qetic」より)と何となくの通例に乗っかってみた、というラフな動機まで様々だ。

■セルフタイトルを掲げたデビュー作が名盤なのは必然

上記に挙げた3つの例は、いずれもキャリアをそれなりに築いた上で放たれたセルフタイトルであるが、剛力彩芽『剛力彩芽』然り、セルフタイトルはデビュー作に掲げられることも多い。「これが自分(達)のすべて」とアピールするために、セルフタイトルはデビュー作において便利なメッセージになるし、たしかにその説得力は伝わりやすい。歴々のロックバンドで振り返ってみても、The Rolling Stones、The Doors、Led Zeppelin、The Ramones、The Clash、Van Halen、The Stone Rosesなど、セルフタイトルでデビューを果たした存在を並べることは容易い。そもそも、自分達が溜め込んできたエッセンスをすべて投じることができるデビュー作には名盤が多いと言われる。ならば、セルフタイトルを掲げたデビュー作は名盤が多くなる、というのは必然とも言えそうだ。

■名盤1001枚のうち、セルフタイトルは何枚あるか

とはいえ、「名盤」の定義はとっても曖昧。というか、人それぞれだ。ならば、それなりの基準を設けた上で考えてみる必要があるだろう。ここでは1000頁近い大著、ロバート・ディメリー『死ぬまでに聴きたいアルバム1001枚』(ソフトバンククリエイティブ)を名盤の基準にしてみる。この大著の読み応えは、1つのアーティストから1枚ではなく、「死ぬまでに聴きたい(You Must Hear Before You Die)」という判断のもと、同じアーティストの作品であっても重複して収録していること。この1001枚のうち、セルフタイトル作品が何枚あるかを調べてみる。

ただひたすらページを捲ること2時間。集計した結果は、1001枚中62枚だった。1956年のエルヴィス・プレスリー『Elvis Presley』から2007年のThe Good, the Bad & the Queen『The Good, the Bad & the Queen』まで、時代を貫通して「死ぬまでに聴きたい」セルフタイトルの名盤は生まれ続けてきた。Black Sabbathのように、バンド名もデビューアルバムのタイトルもその1曲目のタイトルもすべて「Black Sabbath(黒い安息日)」で統一し、徹底的に不穏なイメージを作り上げたミュージシャンもいれば、Franz Ferdinandのように、アルバムのジャケットに自身のバンド名だけをかざし、それをあたかも名刺のように掲げてシーンに登場してくるパターンも少なくない。The Beatles『The Beatles(The White Album)』、Metallica『Metallica(The Black Album)』のように、俗称で呼ばれることになったセルフタイトル作もある。

■セルフタイトルでデビューしたからこその荒技で、流通を困らせたKorn

2007年、ヘビーロックバンドのKornは、レコード会社に対する苛立ちを募らせ、流通を困らせてやろうと、タイトルの一切ないアルバムを出した。1994年のデビュー作で既にセルフタイトル『Korn』を使っているから、このアルバムを『Korn』として流通させると混乱をきたす。日本では『無題』というタイトルでリリースされたが、諸外国では致し方なく『Korn』と表記したらやっぱりデビュー作と混同されてしまったり、あるいは暫定的に『Untitled』としてみたり、販売する側が苦労した。大人げない方法ではあるが、彼らの皮肉は望み通りたしかな混乱を招いたわけだ。セルフタイトルでデビューしていたからこその荒技だった。

セルフタイトルはミュージシャンにとって、1度しか使えない必殺技である。セルフタイトルをかざす意味合いはそれぞれだが、受け取る側は「これぞ」と身構える。ここ最近の作品タイトルで、剛力彩芽『剛力彩芽』ほどのインパクトを感じたものはない。セルフタイトル作には、ストレートな意気込みが封じ込められている。「剛力彩芽の剛力彩芽」、近年まれに見る、声に出したくなる日本語である。

(テキスト:武田砂鉄)

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