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伊勢丹1階ステージを超絶技巧の漆と器がジャック
伊勢丹新宿店は佐賀県・有田の陶芸家・葉山有樹と、石川県・輪島の漆芸集団「彦十蒔絵」を主宰する若宮隆志の作品にクローズアップした作品展「生命の美 漆と陶磁 超絶技巧の世界展」を同店本館1階ザ・ステージ#1で開催している。4月7日まで。
同展では日本ならではの蒔絵や色絵細密画という日本的かつ繊細な技法を駆使する世界で活躍する2名のクリエーターがコラボレーションし、高い精神性とストーリー性にあふれた作品を発表している。
作品は著述家でもある葉山が「自然崇拝・自然礼賛」の思想に基づくテーマをもとに制作。葉山の陶芸作品に、若宮が漆芸・蒔絵の技法でテーマを受けた創作を加えた。会場では「万花彩壷」「月の女神 月輪盤」「蓋物 桃太郎」をはじめとした作品が紹介されている。
葉山の作品の最大の特徴は、歴史より学んだ人類の足跡を自ら執筆した物語をもとに作品が創造されていることだ。陶磁器に描かれる文様は、人間の持つ強さや健気さのほか、弱さや儚さも表現される。今回の作品展示を通じて、葉山は「一つひとつの作品には、固有の物語が存在し、陶磁器に描かれる文様には、その歴史を踏まえた本来の意味や宇宙観がある。お客様には内なるものから“美しさ”を感じて頂きたい」と話す。
一方、彦十蒔絵の棟梁である若宮の仕事は、作品の青写真を描き、完成までの道筋をつけること。実際に作る作業を行うのは、40人を数える漆のスペシャリストで、彦十蒔絵のメンバーは10人。その他にも、木地の製作者を中心に様々な技術を持つ専門家が共同し、作品が完成する。近年、若宮はバーレーン王国国立博物館や台南文化祭にも出展するなど、海外発表も展開している。