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本田望結の活躍に見る、『逃走中』が子どもたちを夢中にさせるワケ
また『逃走中』(フジテレビ系)が原因で“炎上”したという。
炎上したのは、3月15日放送の回で「自首」を選んだE-girlsのAmiだ。『逃走中』は、テーマパークやショッピングセンター等の施設を舞台にした大規模な“鬼ごっこ”番組。十数人の出演者=逃走者が、ハンターと呼ばれる“鬼”から決められた時間を逃げ切れば賞金を獲得できる。途中、捕まるリスクはあるが、協力して成功させるとハンターが減るなどの「ミッション」が用意されている一方で、逃走者にはルール上、「自首」が許されており、その時間に応じた賞金が支払われる。
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Amiはこの「自首」により、目標であった賞金100万を超える約120万円を手にした。もちろんルール上認められた行為であるが、それまでの言動、自首後の振る舞いで人間性が浮き彫りになり、批判に晒されてしまうのだ。
『逃走中』の炎上といえば、今回は出演しなかったが、ドランクドラゴン鈴木拓が有名だ。自身の「代表作」とうそぶき、「この番組がキッカケでヒールキャラを確立した」と胸を張る。普段の仕事では見送りになど来ない息子が、『逃走中』の仕事の日だけは、鈴木を見送りに来るのだという。「父ちゃん、今日はちゃんとミッションやってね」と。
なぜなら『逃走中』は、子どもたちの間で絶大な人気を誇る番組だからだ。そんな番組で父親が悪者になってほしくないと思うのは、無理もない。なぜ、それほどまでに子どもたちを夢中にさせるのだろうか?
そのひとつの答えが、「誘惑の扉」と題された今回の放送にあった。今回の出演者は前述のAmiのほか、プロ野球・広島カープのエース前田健太、芸人の小籔千豊、よゐこ濱口優、元宝塚の大和悠河など多彩なメンバーに混じって、“天才子役”と名を馳せ、フィギュアスケーターとしても将来メダルを期待される本田望結がいた。10歳の本田は間違いなく、今回の主役のひとりだった。
「ヤバい、ドキドキしてる!」
と、最初から興奮気味の本田。小学校では「『逃走中』ごっこ」などもしているという。だから「みんなに『ミッションできたよ!』って言いたい」と無邪気に決意を語るのだ。だが、いざ始まると、本田は身を潜めたまま動けなくなってしまう。
「無理だ、怖い。こんなに怖いと思ってなかった……」
ハンターの影におびえ、動きたいという気持ちより恐怖心が上回ってしまう。「ミッション」が通知されても、気持ちばかりがはやって、足は止まったまま。動きたくても動けない悔しさがにじみ出る。
「ヤバい全然動けない……。何も動けてないや、テレビ見てると楽しそうだな、絶対行きたいなって思ってたけど、こんなにドキドキするとは思わなかった」
本田が動けないままでいるうちに、エリアには「誘惑の扉」が出現する。この扉の中に入ると、5分間ハンターの追撃を受けずに済む。その代わり、その時間、新たにハンターが10体放出されるというのだ。
「扉に入るのやめる」
と、いち早く出演者全員にチャットで意思表示する本田。しかし、ハンターに追われる中で、Ami、濱口、小林麻耶の3人が「誘惑の扉」に入ってしまう。10体増加したハンターたちに追い詰められ、その5分間で6人もの逃走者が確保されてしまった。
「もう自分が恥ずかしいよ」
1時間以上、動けなかった本田はついに動き始める。そして、確保された逃走者を復活させる「ミッション」発動が通知される。
「絶対やります! 絶対やります!」
「ミッション」は危険と隣り合わせだ。ハンターに捕まるリスクは高まる。事実、ミッション中に確保されてしまうことも少なくない。だから、ミッションに参加しないという選択肢も当然ある。だが、本田は、自分がその選択をすることは許せなかったのだ。そしてほかのメンバーと協力して「ミッション」を成功させると、それに貢献できた彼女はウキウキ気分で得意げ。その興奮を隠せない。
一方、出演者のアレクサンダーから「自首」を相談されると、あからさまに軽蔑の眼差しを向け、こう言う。
「自首どうぞ。望結はしない。最後まで生き残る。あとミッションも絶対やる! さようなら。望結は捕まるかもしれないけど、みんなのために頑張ります!」
残り時間わずかになると、「誘惑の扉」が再び現れる。
「そんなことはしない! 誰も入らなかったらハンターは来ないわけでしょ。入ったら大変なことになる! みんなを裏切ることになるから。絶対に入らない!」
と語気を強めた本田だが、ハンターに追われ、恐怖に駆られると、泣きそうになりながら、その扉を開けようとしてしまうのだ。
『逃走中』での本田望結は、子どもらしさが全開だった。恐怖で思い通りに体が動かない葛藤、一転して「ミッション」に成功した後の得意げな言動、自分にも他人にも厳しくあろうとする正義感、逆にピンチに陥ったら逃げてしまう弱さ、何より目の前のことに前のめりで夢中になる姿。そのすべてが子どもっぽくて、愛らしかった。いや、彼女だけではない。出演者それぞれが、子どもっぽい本性を晒してしまうのだ。
『逃走中』は子ども心を呼び覚ます。子どもだましでは、子どもはだませない。巧妙なミッションの設定と、「自首」を誘発するような人間心理をついた絶妙なゲームバランスが、いつだって本気で遊ぶ子どもたちを刺激する。夢中になるのは、子どもたちだけではない。なぜなら、大人にだって子ども心は残っているからだ。『逃走中』は、そんな子ども心をターゲットにした番組なのだ。
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)