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<橋本環奈>映画「暗殺教室」で律役「クールなイメージからアイドルらしく変わるのが難しかった」
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の松井優征さんの人気マンガを基にした実写映画「暗殺教室」(羽住英一郎監督)にアイドルグループ「Rev.from DVL(レブ・フロム・ディー・ブイ・エル)」のメンバーで“天使すぎる”アイドルとして話題の橋本環奈さんが出演している。「暗殺教室」は、地球を破壊しようとたくらむ謎の生物「殺(ころ)せんせー」が、落ちこぼれが集まる椚ケ丘中学3年E組の担任となり、生徒たちは国家からその暗殺を依頼されるという斬新な設定が話題を呼んでいる。「Hey!Say!JUMP」の山田涼介さんが潮田渚役で映画初主演を務めているほか、「嵐」の二宮和也さんが殺せんせーの声を担当していることでも注目を集めている。暗殺を目的にE組に転校してくる人工知能を搭載した兵器“自律思考固定砲台”、通称・律を演じるにあたって、橋本さんに役作りや同作の魅力、撮影の様子について聞いた。
◇律役を演じ切れるか不安だった
今作出演のオファーを聞いた時、「生徒役での出演だと思っていました」と言って笑う橋本さんは、「原作のキャラクターで、まず誰をやるんだろうって、すごく楽しみでワクワクしていました」と振り返る。自身が演じるのが律役と分かり「私自身も律が大好きだったので、びっくりしました。私が律役を演じ切れるか不安でした」と当時の心境を打ち明ける。律のどのような部分が好きかと聞くと、「最初に登場した時は無表情でミサイルを撃って、すごく怖い役なのかなと思っていた」というが、「だんだん打ち解けてアイドル的存在というか可愛らしい感じになる律がすごく好き」とほほ笑む。
撮影については「律役なので皆さんと一緒に撮影できるとは思っていましたが、実際は一人でした(笑い)」と明かし、「頭の中で想像しながらやっていたので、そういった意味では楽しかった。グリーンバックでやっている時も想像していたら(生徒役の)皆さんの姿が見えてきました」という。一人での撮影は声と動きを別々に収録したそうで、「声をまず録(と)らせていただいたのですが、『射角修正』や『触手』、『射撃』とか“しゃしゅしょ”など難しいところがたくさんありました」と振り返る。そして、「声で演じるということで、滑舌よく」ということを心掛け、さらに「律は最初クールな感じなので『射角修正』などのせりふに抑揚をつけて言ってはダメで、淡々とさらっと言うところがすごく難しかった」と明かす。
声を収録したあとの動きの撮影について、「自分が演技をする前に皆さんの演技を見せていただきました」と切り出し、「皆さんは(律をイメージした)箱と一緒に演技をされていたのですが、本当に素晴らしかった。(私の撮影が時期的に)最後の方だったので、足を引っ張らないように頑張らないと、と思いました」と感じたと話す。ほかの人が演技している映像からは、「本当にクラスメートのようなすごく楽しそうな雰囲気が伝わってきました」といい、「自分もその中に入るということで気持ち的にはウキウキでした」と触発されたことを打ち明ける。
映画では椚ケ丘中学の制服に体操着、看護師や教師と多彩なコスチューム姿を披露している橋本さん。「制服を着た時は髪形も原作の律っぽくやらせていただき、作っている時から本当に面白いなと思いました」と感じ、橋本さん自身も初めてという教師姿には、「新鮮すぎて面白いなと思ったし、教えられるかな、と」と言って笑う。そして、「せりふの中でみんなに教えるところがあったのですが、教師になり切りました」と笑顔を見せる。
◇殺せんせーの触感に興味
橋本さんは原作のマンガを「大好きで(単行本を)全巻持っています!」と話すほどの愛読者。「暗殺教室」の魅力を聞くと、「最初に手にとってみた時は『暗殺教室』というタイトルから怖い作品なのかなと思った」というが、「中身を見たらすごく面白い。ときどきボケも入ったりするし、殺せんせーの言葉もいいですね。こんな先生がいたらいいなとすごく思います」と語る。
殺せんせーについては、「顔の表情がコロコロ変わったり、いつもふざけているように思えるのに生徒のことを第一に考えているところや、いろんな意味でE組に落ちてきたみんなを救ってくれる」と説明し、「勉強もマッハ20で教えてもらったら、すごくやる気が出る。一人一人の勉強の用途に合わせて教科書を作ってくれたり、みんなの願いを考えてくれたり、そういう生徒のことを大事に思っている殺せんせーはすてきだなと思います」と目を輝かせる。「実際に殺せんせーがいたら?」と聞くと、「とりあえず触ってみます(笑い)。どんな感じなんだろうと」とちゃめっ気たっぷりに話し、「最初はもちろんびっくりするとは思いますが、慣れるのでは。渚がメモを取っていると思いますが、私も殺せんせーの正体をつかみたくなっちゃう」と言って再び笑う。
殺せんせーのような先生に会ったことは?と投げかけると、「中学3年の時の担任の先生は、生徒一人一人のことをたくさん考えてくれて、合唱コンクールでは一人一人に練習用のCDを作ってくれたり、進路のこともたくさん相談に乗ってくれました」といい、「生徒のことを第一に考えてくれるという意味では、(殺せんせーに)すごく近いと思います」と思い入れたっぷりに語る。そして、「触手とかはないですけど……」と言って三度笑った。
コミックスを全巻集めるほどの橋本さんに、初めてはまったポップカルチャーを聞くと、「小さい頃からアニメだけではなくて、アニメ、ドラマ、映画、ニュース、それにスポーツとかもなんでも見る本当にテレビっ子」と回答。今でも変わらず、テレビを見ることが好きだといい、「録画がたまり過ぎちゃって(笑い)。普段はちょっと倍速にして見たりします」といい、「ドラマも見ますし、夜は絶対にニュースをつけます。つけながらいろいろ作業したりします。時間がない中でもテレビを見たいと思います」というほどのテレビっ子。続けて、「本当にテレビの中に入りたいと思ってこのお仕事をやり始めました」と打ち明ける。
◇新鮮さがある役に挑戦したい
今作の撮影を振り返って、「律は最初クールでお堅い感じのイメージからアイドルらしくガラッと変わるところなどが難しかったのですが、羽住監督がたくさんアドバイスもしてくださったことが印象に残っています」と感謝する。さらに「羽住組の皆さんのチームワークがすごくて、仲間入りできてうれしいなという気持ちがありました。律役をやる中で、教師や看護師などいろんな律を演じさせていただき、グループとはまた違ったスタイルでやれたかなと思います」と映画出演の楽しさを語る。
今後挑戦してみたい役は「挑戦したことないものは全部」と力を込める橋本さん。特にやってみたいものとして、「ドラマにも出演させていただいたことがありますが、その時は私(自分の)役。前回の『奇跡』という映画も演じたというよりも私役で、今回もアイドルのような部分もある」と切り出し、「アイドルじゃない律の方は新鮮だったので、新鮮さがあるものはやってみたい」と意欲を見せる。「逆に男装とか……あっ振り幅が大きすぎたかも(笑い)」と自らつっこみつつ、「これから生涯いろんな役を演じたいと思うので、今初めての役をたくさんやるよりは、一つ一ついろいろな挑戦をしたいなと思います」と意気込む。
律役を演じてみた手応えを「たくさんの律をやらせていただいたので、いろんな律が見られるのではと思います」とアピール。原作が連載中ということもあり、続編にも期待が集まるが、「『暗殺教室』の一読者として『続いているのにもう映画化か』と。すごく早い」と驚きつつ、「人気だからこそ映画化できるといった面では、やっぱり続編に期待しちゃいます。映画のラストは撮影の時に見せていただいたのですが、あれだと続編を期待しちゃいますね」と目を輝かせた。映画は全国で公開中。
<プロフィル>
1999年2月3日生まれ、福岡県出身。福岡発のアイドルグループ「Rev.from DVL」のメンバー。主な出演作に映画「奇跡」(2011年)、ドラマは「住吉家物語~わくわくが、家にやってくる~」(12年、RKB毎日放送)、「水球ヤンキース」(14年、フジテレビ系)など。
(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)