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ソニーの採用が変わる!?

 ソニーの採用が変わる!?

 

 ウォークマンやプレイステーションなど、時代を大きく変える製品を世に送り出し続けてきたソニー。同社のファンは多いが、近年は業績の伸び悩みに苦しんできた。ここ数年は新卒採用数も絞っており、昨年の新入社員は170名と大手メーカーとしてはかなり少数であった。

 しかしながら、2016年卒の採用では「前年の1.7倍」に当たる300名の学生を採用する予定だという。その狙いや採用に関する新たな取り組みを、ソニー人事センター採用部 統括部長 小橋由佳里さんに聞いた。

 ソニー人事センター採用部 統括部長 小橋由佳里さん

大幅な採用増の理由

 –2016年の採用数を前年の1.7倍に増やす方針だそうですが、その理由を教えてください
 

 厳しい経営環境が続いていますが、やはり新しい時代を支える次世代の採用および育成は必須と考えています。ソニーの持続的な成長のため、将来を担う若手人材を積極的に採用していきたいと思っております。

 2014年度は徹底的に構造改革を断行するとともに、4Kやハイレゾ、一眼カメラなど高画質・高音質にこだわった製品がご好評いただき、業績も上向きになってまいりました。今年2月の経営方針説明会にて、代表執行役 社長 兼 CEOの平井が発表したように、ゲーム&ネットワーク事業や、映画、音楽などのエンタテインメント事業とともに、今後は特に半導体を中心とするデバイス事業を、ソニーの成長牽引領域として注力し、集中的に投資もしていきます。ここ数年は、厳しい環境が続いてきましたが、現在は新規事業へのチャレンジや、現行事業領域の収益改善によって、社員のモチベーションも上向きになってきている、社内でも社員の笑顔が増えるなど雰囲気が確実に良くなったということを実感しています。

 –300名というのはどのようにして決定したのでしょうか?
 

 このたび当社では、「毎年、安定的に、一定数の採用を継続する」という方針を定めました。昨年の1.7倍というと大幅増のように聞こえますが、300名はその基準となる人数です。

 ここ数年は、厳しい経営環境から、採用数を200名前後に絞ってきましたが、会社全体の年齢構成のバランスを最適なものに変え、今後も持続的にソニーという会社が成長していくためにも、一定数の若手を継続的に採用していくことが必要との結論に至りました。

 ソニーグループ 会社説明会の様子

学校推薦の復活

 –学生の採用数を増やすに当たって、学校推薦を復活させると伺いました
 

 当社では、10年ほど前に技術系の学校推薦をやめ、自由応募のみを行ってきました。しかし、就職活動の後ろ倒しや他社の学校推薦実施状況を受けて、再開することにしたのです。

 –同業他社では学校推薦を実施している企業が多いですよね。ソニーが学校推薦をしていなかったということに驚きました
 

 そうですよね。私自身も学校推薦で入社し、技術開発系エンジニアとして働いてきました。人事部には1年3カ月前に異動となり、採用面接も昨年から担当するようになったのですが、「いいな」と思っていた学生から「他社に学校推薦で受かったので、申し訳ありませんがそちらに就職します」と言われることが多かったのです。ショックでしたね。

 学校推薦というと、教授による推薦と面接で完結するものが主流でしたが、近年はジョブマッチングも行い、学生も企業のことを知った上で推薦を受けるものに変わっているようです。

 –ソニーでもジョブマッチングを行うのですか?
 

 実施します。学生からは「8月選考開始のため、夏休み中に就職活動が終わるか、研究に専念できるかが心配」という声を聞いています。そこで「ジョブマッチング」という形で、選考前に先輩や希望する職場の人とお話しする機会を設けました。

 ソニーグループ 会社説明会の様子

 「入社したけれど理想と大きく違った」というのは、学生だけでなく会社としてもショックが大きいものです。また、「新卒1年目で転職した」というと、「何かあったのだろうか」「飽きっぽいのかも」というマイナスのイメージが付いてしまう可能性も否定できません。採用活動では、ミスマッチを最小限に抑えるためにも、学生が自身の意志で進路を選べるような判断材料を提供するべきだと考えています。まずは先輩社員らを通してジョブマッチングを行い、ソニーに興味をもっていただきたいと考えています。ちなみに本年度は、技術系の半分ぐらいを学校推薦で採用する予定です。

 【後編は「求める人材」についてお話いただきます】

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上原健二
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