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ネット会議で被爆体験伝える、ハーバード大生に

 ネット会議で被爆体験伝える、ハーバード大生に

 

  • ピースネットでハーバード大生に被爆体験を伝える山脇さん(左)
  •   長崎市の被爆者山脇佳朗さん(81)が23日、同市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で、インターネットを通して米ハーバード大の学生約30人と交流し、被爆体験を伝えた。

      同館では2004年度から、インターネット会議システム「ピースネット」の運用を始め、これまで約270回実施。被爆地を訪れる機会がない海外や国内の遠隔地の子どもや学生の学校などと同館を結び、被爆者の講話や意見交換を行ってきた。

      同大と行うのは今回が初めて。学生たちは、同大ライシャワー日本研究所の客員教授による講義「日本と原爆」を受講しており、事前に長崎原爆の被爆者林京子さんの小説などを読んで臨んだ。

      山脇さんは11歳の時、爆心地から約2・2キロの自宅で被爆。爆心地近くで技師として働いていた父親(当時47歳)を失った。被爆時の状況や、帰宅しない父親を捜した際に見た多くの亡きがらの様子などを英語で伝えた。父親の遺体を兄弟3人の手で火葬した時のことについては「耐え難くなって、その場を離れた」と振り返った。そして、「原爆はどんな戦争でも使われてはいけない残酷な武器。地球からなくすために、核保有国の若者に立ち上がってほしい」と呼び掛けた。

      学生から「現在も被爆者の多くがアメリカを憎んでいるか」と質問されると、山脇さんは「政府や科学者は許せないが、一般の人たちには親愛の情がある」と答えた。このほか、学生からは「原爆には反対だが、投下により何百万の命が救われたと主張する意見も依然根強い」「核兵器は何があっても許されないと感じた」などの意見が出た。

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