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後藤健二さんのもう一つの「顔」 埼玉の子供めぐる裁判〈AERA〉
戦地の子どもたちにカメラを向け続けた後藤健二さん。日本でも、子どもの権利を守るためのもう一つの活動を続けていた。
過激派組織「イスラム国」(IS)によってシリア国内で殺害されたとされるフリージャーナリストの後藤健二さんが支援していた裁判がある。
提訴したのは、難病で知的障害もある男児(10)と母親の浦畑味希さん(41)。浦畑さんによると、男児は2011年、通っていた埼玉県立三郷特別支援学校で、30代の女性教諭からたたく蹴るの暴行を受けたり、「人の助けを借りることばかりしやがって」「帰ってくんな」などと暴言を吐かれたりしたという。14年1月、暴力や暴言によって精神的被害を受けたとして、県と教諭に計400万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴した。
後藤さんが事件を知ったのは12年のこと。デザイン書家の山崎秀鷗さんが友人の浦畑さんから相談を受け、付き合いのあった後藤さんに橋渡しした。後藤さんは、「難病で長くは生きられないかもしれない子がこんな酷い目にあうなんて」と憤り、浦畑さんに同行して学校との交渉の場に何度も足を運んだという。近年はシリアやイラクなど戦火の中にいる子どもたちにカメラを向けていた後藤さんにとって、日本でも苦しむ子どもがいることは見過ごせなかったのだろう。
「初めは私も一緒に支援活動をしていましたが、仕事が忙しくなって続けることができなかった。後藤さんは一度関わったらぶれずにずっと力になっていました」(山崎さん)
浦畑さんは、同行してくれた後藤さんの言動を今も克明に覚えている。
「校長の話が毎回変わることやPTAが学校側の味方になってこちらを攻撃してくることにとても驚いていました。学校と闘う保護者が私一人だけになってしまった時も、『子どもを守れるのはお母さんだよ』と言って力づけてくれました」
提訴直前の14年1月25日、後藤さんは弁護団長の杉浦ひとみさんに次のようなメールを送信した。
「いよいよですね! ここまでのお仕事に心から敬意を表します。(中略)私は今シリアのアレッポにいて、今月いっぱいは日本に戻れそうにありません。戦時下の生活は通信もままならないのですが、隣人を親切に受け入れてくれる人たちのおかげでなんとか生活できています。どうか、頑張ってください!」
※AERA 2015年4月20日号より抜粋