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大挙して高校野球視察に訪れたメジャースカウト団の本当の目的
第87回センバツ高校野球大会は、ネット裏も盛り上がっていた。プロ野球全12球団のスカウトが追い掛けたのが今大会の目玉、県立岐阜商業の高橋純平投手。中には複数態勢でチェックしていた球団もあったが、「やはり」というべきか、メジャーリーグ・スカウトも熱い視線を送っていた。
「タカハシは本当に良いピッチャーですね。米国の高校生の中に入っても、上位にランキングされると思います。日本の高校生はいきなり米球界に挑戦することにまだ抵抗があるようなので、今回の視察は先行投資のようなものです」
米中部地区チームのスカウトがそう語っていた。
しかし、“視察以外の目的”で球場入りした米スカウトも見られた。
「うがった見方ですが、スカウトした後の自身の言い訳作りで高校野球を見ている者もいるようなのです」(球界関係者)
今さらではあるが、米球界関係者とアメリカのメディアは「日本の高校生投手は投げ過ぎだ」と思っている。田中将大、ダルビッシュ有の2人が続けて右肘靱帯を故障したこともあるだろう。アジア地区担当の米スカウトは、日本人投手の故障をより綿密に調べ始めるようになった。
当たり前だが、大型契約を交わした後に故障すれば、その責任は担当した米スカウトも負わされる。メディカルチェックをした後に契約する段取りになってはいるが、田中やダルビッシュの故障の遠因も、高校野球にあるというのだ。
「要するに、高校時代にこんなに酷使されてきたから、メジャーリーグに来てから故障したんだと言いたいんですよ」(前出・関係者)
ダルビッシュもお世話になった肘の靱帯修復のためのトミー・ジョン手術の患者数は、米国人投手が圧倒的に多い。メジャー独自の『中4日』での登板の方が肩肘に悪い影響があり、日本の高校野球を標的にするのは言い掛かりにすぎない。
だが、高橋純平がベスト4進出を逃した際、酷使を回避できて安堵した日本のスカウト陣がいたのも事実。高校野球はプロ野球の品評会ではないのだが…。