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春場所開幕でこちらも気になる相撲部屋「勝負ちゃんこ」の秘伝味
春場所が始まった大相撲。白鳳問題で騒ぎになるなど今場所も見物だが、楽しみ方は取り組みだけじゃない。
体重150kg、200kg…という大男たちが住み込み、寝食を共にする相撲部屋。彼らのパワーの源は、各部屋に継承された秘伝の「ちゃんこ」だ。
力士たちが稽古の後、必ず食べるちゃんこ鍋。各部屋とも豊富なレパートリーをそろえているが、今回はまず湊部屋に取材、その中でも“テッパン”の勝負鍋を用意していただきました。
ああ、うめえ! ご飯が進むっ!! 目指せ、最強の力士! そのためには、一に稽古、二に稽古、三、四がなくて、五にちゃんこ! 各部屋自慢のちゃんこ鍋は、箸が止まらないほどウマかった。
まずは具材を見てみよう。真っ先に目に飛び込んでくるのは「肉」。鶏、豚、豚足など鍋の種類によって変わるが、量がハンパじゃない! 大所帯の部屋では一度に5、6kgも当たり前だ。
脇を固めるのは、油揚げ、大根、ニンジン、白菜、長ネギ、水菜、豆腐、キノコ類など(最近はキャベツも流行中)。普通の人の2倍はあろうかというぶっとい指で握った包丁が目にも止まらぬ速さで食材を切り分けていく。
作り方は至ってシンプル。各部屋秘伝のダシに火の通りにくいものから投入し、彩りと香りを整える。計量カップなど使わず、調味料はドバドバと景気よく目分量。“鍋奉行”の式秀(しきひで)親方(元幕内・北桜)いわく「相撲も料理も大事なのは見て覚えること。あとはセンス」とのこと。
筋肉をつくるタンパク質をはじめ、ビタミン、食物繊維…と、栄養バランスもバッチリ。歴代の有名力士たちも、みんなこれで大きくなったのだ!
■逸ノ城も大好き!
湊(みなと)部屋・絶品つくねちゃんこ
鍋の主役となる絶品つくねの決め手は、鶏肉と軟骨のミンチに加える調味料だ。コクを出すために酒で丁寧に溶かした味噌と卵、おろしニンニク、おろしショウガ。この調味料が鍋から立ち上る湯気とともに食欲を誘う香りとなって部屋中を漂う。ちなみに、ミンチへ投入する調味料の量はすべて「なんとなく」だ!
幕下付け出しデビューのため、ちゃんこ番の経験がない逸ノ城も、このつくねちゃんこは大好きという。
では、続いて他の部屋からも主なちゃんこを厳選、紹介しよう。
■100年の伝統!
春日山(かすがやま)部屋・塩炊きちゃんこ
相撲は体で覚え、味は舌で覚える─その始まりは定かではないが、100年以上にわたって兄弟子から弟弟子へ、脈々と受け継がれてきた春日山部屋の伝統の味。…