青木に心強い「先輩」＝ミューレンス打撃コーチ－米大リーグ

　

　 野球の国・地域別対抗戦のワールド・ベースボール・クラシックでオランダの監督を務め、サヨナラ勝ちした選手を祝福するミューレンス氏（中央）＝２０１３年３月１１日、東京ドーム（ＥＰＡ＝時事）

　 　米大リーグ、ジャイアンツに移籍した青木宣親外野手（３３）にとって、心強い「先輩」が同じユニホームを着ている。ヤクルトでプレーした経験を持つヘンズリー・ミューレンス打撃コーチ（４７）。キャンプ初日から青木と積極的にコミュニケーションを取る姿が目につく。
　　練習中には、メニューの説明やチームの決まり事などを、時折日本語も交えて伝達。新天地で不安もあった青木は「日本語で話しかけてくれてつながっている感じがする。人柄がいいし、すごくありがたい」と感謝している。
　　ミューレンス・コーチは１９９４年にロッテでプレー。翌年から２年間、ヤクルトに在籍して野村監督の下、日本一を経験した。「日本では野村さんら素晴らしい指導者に恵まれた。基本を大切にする野球は今に生かされている」。現役引退後、マイナーリーグで指導者の経験を積み、２０１０年から現職に就いた。以来、チームは３度のワールドチャンピオンに輝く。
　　青木はヤクルト時代から優勝に縁がない。昨季はロイヤルズの一員としてワールドシリーズまで進んだが、あと一歩でジャイアンツに敗れた。「ノリは優勝に飢えていると思う。今年は一緒にその目標に向かうことができてうれしいし、手助けしたい」。日本を熟知する頼もしいコーチが、青木の大きな支えとなりそうだ。（スコッツデール＝米アリゾナ州＝時事）