＜プロ野球＞巨人高木勇がプロ初完投初完封 阪神打線２安打

　

　○巨人３−０阪神●（５日、東京ドーム）
　
　　巨人の新人・高木勇がプロ初完投初完封。直球、変化球ともに制球がさえ、阪神打線を２安打に封じた。打線は二回に亀井の犠飛などで２点先取し、七回に亀井のソロで加点。阪神は好投の藤浪を援護できなかった。
　
　　◇巨人・原監督の話
　
　　（高木勇は）力の入れどころが上手。プロ野球人としていいスタートを切った。（捕手の阿部も）リードのしがいがあったのではないか。
　
　　◇高木勇人投手　２５歳・巨人
　
　　九回２死から２人の走者を出したが、まったく動じなかった。「本当にうまい先輩が守っている。安心して投げた」。最後は西岡を得意のカットボールで遊ゴロに仕留め、プロ初完投を完封で飾った。
　
　　立ち上がりから直球、変化球ともにさえわたった。六回は、無死一塁から藤浪の投前へのバントを出足よく処理し、走者を二塁で刺すなど、走者を出してからのマウンドさばきも堂々としたもの。八回までは二塁さえ踏ませず、捕手の阿部も「全部が良かった。言うことなし」と絶賛した。
　
　　日ごろから、「自分らしく」と繰り返し口にしている。この日も、「野手の方に助けていただいた」と言葉は謙虚だったが、初めてバッテリーを組んだ大先輩の阿部のサインに首を振るなど、マウンド上では我を通した。その姿に、原監督は「自分を疑わず、しっかり自分の投球ができている」と目を細める。
　
　　ヒーローインタビューでファンへのアピールを促されると、迷わず言った。「僕は僕です」。三菱重工名古屋での７年にわたる社会人生活を経て、ようやくたどり着いたプロの世界では“自分らしさ”を追求し続ける。力強い決意表明だった。【平本泰章】