高木勇、堂々の初完封＝快投にも感謝忘れず－プロ野球・巨人

　

　 完封勝利を喜ぶ巨人の高木勇（右）と捕手の阿部＝５日、東京ドーム

　 　ルーキーの初完封を期待する大歓声を背に、巨人の高木勇は九回のマウンドに向かった。
　　簡単に２死を取った後、鳥谷に二塁打を許し、続く上本には四球。思わず天を仰ぐと、すかさず主将の坂本や井端が駆け寄って来てくれた。
　　最後の１１６球目は武器のカットボールで、西岡を遊ゴロに打ち取った。２安打でチーム一番乗りの完封にも、「結果的に完封になっただけ。助けてもらった場面が何度もあり、実感はない」。周囲への感謝は忘れない。
　　序盤から緩急を使いテンポ良くアウトを重ねた。終盤は「一球一球」と言い聞かせ、丁寧な投球を意識。九回２死までは二塁すら踏ませなかったが、「自分はすごい投手じゃない。自分らしい投球を引き出してくれたのは阿部さん」と謙遜した。
　　マイペースな性格。この日も直球の球速が突然１３０キロ台に落ちた際に心配してマウンドに駆け付けた阿部に向かって「あれ？」と一言。阿部も「俺に向かって言うんだから」と苦笑いするほどだ。
　　原監督は「投げっぷりが良くて見事。自分を疑わずに信じて投げている」と絶賛。強心臓の新人右腕が、チームに今季初の連勝をもたらした。