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<選抜高校野球>冬場使えないグラウンド「逆転の発想」結晶
第87回選抜高校野球大会は1日、阪神甲子園球場で決勝があり、2年ぶり6回目出場の敦賀気比(福井)が、14年ぶり6回目出場の東海大四(北海道)を降し、初優勝を果たした。
○敦賀気比(福井)3−1東海大四(北海道)●
高校野球100年。節目の年に、北陸の地に春夏通じて初めて優勝旗が渡った。水分を多く含んだ雪が降り、冬場はグラウンドでの練習がほとんどできない敦賀気比がセンバツで優勝したことは、厳しい冬と闘う全てのチームにとって、大きな励みになるはずだ。
1995年夏の甲子園で監督として星稜(石川)を準優勝に導いた山下智茂さん(70)は感慨深そうに語る。「当時は、初めて土のグラウンドでやれたのが甲子園だった」
その星稜と切磋琢磨(せっさたくま)し、北陸の高校球界を引っ張ってきたのが福井商。福井県勢の甲子園の過去最高成績は、78年春の福井商の準優勝。当時の監督、北野尚文さん(69)は「外で練習できないハンディを逆手に取った」と筋力トレーニングを全国に先駆けて導入し、頂点へあと一歩に迫った。
そして、今回の敦賀気比。くしくも北野さん同様、ハンディを逆手に取った練習をしていた。グラウンドが使えない代わりに1日最低700回バットを振り、打撃を強化。「考え方の転換。できることをやる」と86年の創部時から携わる林博美部長(56)は話す。
センバツで優勝のない地域は北海道と東北のみになった。ただ、今大会は東海大四が決勝に進み、東北も全3校が初戦を勝った。一方、九州・中国勢は全て初戦敗退。山下さんは「私が監督の時は、暖かい九州や四国の学校に負けたくないと思ってやってきた。今度は九州などの学校が奮起してほしい」と期待する。
各地区のレベルアップが高校野球全体の底上げに直結することは間違いない。北陸の大地の下、少しずつ根を張り、芽を出し、そして花を咲かせた高校野球100年の年の春。北陸勢初の快挙が、次の100年に新たな花を咲かせるための種になるのかもしれない。【安田光高】