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イスラム国の日本国内テロ 「リスク高まった」と専門家警鐘
喉元すぎれば……は、日本人の悪い癖。「イスラム国」に対する関心も薄れつつあるが、先月の東京マラソンが無事終了したからといって、日本人に対するテロの脅威が消えたわけじゃない。
「むしろ“本番”はこれからです」と軍事ジャーナリストの神浦元彰氏がこう続ける。
「米国主導の対イスラム国掃討作戦が展開されていますが、来月、さらに大規模攻勢を仕掛けるとみられています。まともに戦ってもイスラム国に勝ち目はない。追い詰められ、各地に散らばっていくテロリストに残された選択は、爆弾テロしかありません」
7日、イスラム国がイラク北部にある世界遺産「ハトラ遺跡」の破壊を始めたと報じられた。それこそ“手負いの狼”は何をやってくるか分からない。
それでなくてもナイジェリアのイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が同日、イスラム国に忠誠を誓うとする声明をツイッターに投稿するなど、“溝”はどんどん深まっている。
「遺跡破壊も腹いせのひとつでしょうが、いずれにせよ、テロのリスクは今月から来月にかけて、世界中で高まっていきます」(神浦元彰氏)
間が悪いというか、日本では14~18日、仙台市を主会場に国連防災世界会議が開かれる。潘基文国連事務総長や安倍首相など約20カ国の首脳級が出席。
宮城県警は他の県警にも人員を要請するなど、かつてない厳戒態勢を敷いている。15日には横浜市初の市民参加型マラソン大会「横浜マラソン」も開かれる。
「神奈川県警は、東京マラソンの“ランニングポリス”ならぬ“サイクルポリス”を導入するそうですが、初の大会の上に2万5000人が出場する。政府は世界会議の警備に力点を置いているので、どうしたって横浜マラソンは“手薄”にならざるを得ません」(警察庁事情通)
現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏がこう言う。
「日本人の人質2人の殺害動画が拡散されたことで、世界中にいるイスラム国のシンパが『日本は敵』という認識を強めたことは間違いないでしょう。テロの脅威はむしろ高まっているとみた方がいい。05年の英同時爆破テロは、スコットランドでサミット開催中にロンドンで起きた。テロリストにとって、場所は二の次。世界にアピールできればいいのです」
喉元をすぎたと思っているのは、ノンキな日本人だけだ。