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惜しまれつつ引退…鹿島アントラーズのSNSキャラクター「コンシェル樹」
鹿島アントラーズが2012年からFacecook(以下FB)、Twitterでサービスを開始したSNSキャラクターの「コンシェル樹(じゅ)」。開設当初こそ「情報発信が少なく微妙」との声が多かったのだが、昨年のJリーグ開幕直前から情報発信も豊富になり、「コンシェルジュ樹が生まれ変わった!」と、鹿島ファンの間でも話題にあがっていた。その様子は昨年、日刊SPA!でも取り上げた。(※その記事はこちら http://nikkan-spa.jp/601800)
今年もスポンサー・関係者しか出席できない鹿島のキックオフパーティー会場の様子や写真を投稿したり、試合前のロッカールームの写真を投稿したり、その役割をまっとうしていたが、何と2月19日をもって引退をしてしまったのだ。
引退の理由は2月19日より、鹿島がクラブオフィシャルとして初めて公式SNSを開始するため。これにファンの間からは
「え?コンシェル樹って公式じゃなかったの?」
「あんなに頑張っていたのに、公式じゃかなったコンシェル樹さんかわいそう」
「コンシェル樹終わっちゃうのさみしいな」
と、コンシェル樹引退を惜しむ声もあがっていた。
そもそもクラブリリースを見るとコンシェル樹は
『アントラーズファンクラブ事務局は、ファン、サポーターの皆様に対する情報のご提供を目的として、FacebookとTwitterのソーシャルメディア(SNS)ページを開設いたしました。ファンクラブSNSのオリジナルキャラクターである「コンシェル樹(じゅ)」が、皆様の案内役をつとめます。』(http://www.so-net.ne.jp/antlers/news/release/30252)
と書いてあり、どうやらファンクラブSNSオリジナルキャラクターという存在だったようだ。
鹿島のようなプロスポーツチームに限らず、今やさまざまな団体がSNSを活用するのが当たり前の時代。しかし中には、投稿内容から炎上してしまうSNSも少なくない。SNS運用の難しさを、某スポーツ系企業で公式SNSを運用していたAさん(31歳)はこう語る。
「SNSの運用はきちんとガイドラインを設けて、ツイッター、FB、LINEなどそれぞれに応じた使い方をしないとただ『投稿しっぱなし』では意味がありません。少なくとも各企業きちんと独自のルールを作って運用をしていると思います。それとSNSの”人格”をどうするのかというのも重要です。例えばツイッターアカウントを作ったら、そのツイッターアカウントは男性なのか、女性なのか、子供っぽいキャラなのか、ユーザーと気さくに付き合うキャラなのか。こういった色々なことを決めないでSNSを運用するのは、炎上の元です。」
コンシェル樹は、当初かなりあいまいなキャラ設定で当初はファンの間から
「元々いたマスコットキャラクターのしかおやしかこをツイッターでも使えばよかったのに」
という声も上がっていたが、SNSでは公式キャラクターを使う上で注意しなければならない点があるという。
「元々いる既存のマスコットキャラクターを使うとなると、そのキャラクターのイメージや人格を、SNSを運用するにあたり再度しっかり固めないといけませんし、公式キャラクターを使って、うっかり炎上でもしようものなら長年築いてきたマスコットのイメージまで損なってしまうことになります。公式キャラを使うというのは意外と難しいんです。だから鹿島のコンシェル樹のように独自のSNSキャラクターを作って運用というのも、一つの手ですよね。もしこの運用が上手くいけば、ゆるキャラのようにこのキャラクターを商品展開なども考えられる訳ですからね。」
鹿島のコンシェル樹は、約2年の運用経験からようやくファンとの距離感やファンから求められている情報を発信したりと成長の跡が見られたが残念ながら“キャラクターとして1本立ち”するところまでは行かなかったようだ。
「SNSの運用には明確な正解がありません。各企業や団体ともに、新たな顧客を獲得したいのか、既存の顧客との距離感を縮めたいのか?それぞれ目的は違います。初めは手探りでやっているところも多いと思います。憶測ですが鹿島はコンシェル樹から公式SNSに運用を変えるとのことで、“コンシェル樹という手探り期間”を経てようやく本格的な運用にメドがついたのではないでしょうか?」
鹿島では選手のブログやSNSを厳しく管理しており、公式でSNSをやっている選手やスタッフがあまりいないこともサッカーファンの間では有名な話だったが、今年からは鹿島の中心選手で日本代表としても注目を集めている昌子源選手もツイッターを開始した。(そのアカウントはこちら https://twitter.com/genshoji03)
微妙な立ち位置からせっかく認知を得始めたところで引退するコンシェル樹。だが鹿島の公式SNS運用の礎や、選手のSNS運用などのきっかけになったことは間違いないはず。
ありがとうコンシェル樹、さようならコンシェル樹。これからも鹿島ファンの心の中にひっそりと生き続けることを願う。 <取材・文/日刊SPA!取材班>