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猫と一緒に暮らすと人間の病気のリスクが減るって本当?
学校や仕事で嫌なことがあっても、家に帰って愛猫の顔をみるだけでそれまでの疲れが吹き飛びますよね。また家の猫ではなくとも、外猫がゴロンと寝ている姿を見ているだけで心が和みます。
きっと猫には特別なヒーリング効果があるに違いない! と思わされます。アニマルセラピーを含め今まで多くの科学者が動物による良い影響を調べてきました。猫では頭数が少なく研究が限られていますが、いくつかご紹介致します。
心筋梗塞のリスクを抑える
猫を飼っていた人は飼ったことがない人と比べて心筋梗塞の発生率が40%低いと報告した論文があります。この論文の興味深い点は、犬を飼っている人も同じようにデータを集計したこと。犬を飼っているか否かは心筋梗塞の発生率にあまり差がでなかったのです。また、他の研究では血圧が下がったというものもあり、心臓・血管の病気には特に良い影響を与えるようです。
ネガティブな空気を払拭する
ある研究では、猫はネガティブになりそうな気持ちを食い止める効果があると報告されました。ただし、楽しい気持ちにさせる効果はないようです。猫好きからすると十分楽しい気持ちにしてもらっていると感じますが……。猫はいつだって変わらず接してくれるので、落ち込んでいても猫の愛らしい動きをみていると嫌なことも忘れてしまいますね。
孤独感を減らし、認知症の治療にも活躍
老齢期になり学校や仕事を卒業すると、社会的な関わりをもつ機会がへり、孤独に陥ってしまうことがあります。猫などのペットが孤独感を和らげることは多くの研究で明らかになっています。また動物と触れ合うことで認知症、うつ病、統合失調病などの症状を和らげる、抗がん剤治療への不安を緩和するという報告もあります。がん患者から、精神疾患まで、アニマルセラピーは幅広く応用されています。
反対に健康を害するという報告も…
一方ペットを飼っている人の方が、心療内科にかかっている割合が高いという報告が、2011年にオランダの研究チームから発表されました。この研究では猫の飼い主だけでなく犬を飼っている人も心療内科にかかる割合が高いという結果が出ました。またこの報告では、他の疾患でもペットを飼うことによる健康面でのメリットはなかったとしています。
まとめ
さていくつかの報告について解説しましたが、やはり猫による良い影響について科学的に証明するのは難しいようです。オランダの研究のように反対の結果がでてしまうのは、統計学の分野ではよくあることで、どのような方法が最も客観的に真実を表すかも検証しなくてはいけません。
しかし、猫を愛する方にとっては猫がどれほど私たちの生活を潤してくれるかは、科学的な根拠がなくとも十分実感しているはずです。私も、小さい頃に猫を飼い始めてから家族の会話も増えましたし、猫と出会ったことで獣医になりたいという夢を持ち、勉強の励みになりました。
最近では麻布大学で、「猫との触れ合い、そして猫の鳴き声が、人の脳の血流増加に影響している」などの研究を行っているようです。今後さらなる研究により猫のヒーリング効果の謎が明らかになるでしょう。
■参考文献
E. Paul Cherniack & Ariella R. Cherniack, 2014. The benefit of Pets Animal-Assisted Therapy to the Health of Older Individuals.
■著者プロフィール
山本宗伸
職業は獣医師。猫の病院「Syu Syu CAT Clinic」で副院長として診療にあたっています。医学的な部分はもちろん、それ以外の猫に関する疑問にもわかりやすくお答えします。猫にまつわる身近な謎を掘り下げる猫ブログ「nekopedia」も時々更新。