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<独機墜落>操縦士1人閉め出し…ノックに返事なし
【ニューヨーク草野和彦、セーヌレザルプ(フランス南部)宮川裕章】フランス南部で起きた独ジャーマンウイングス機墜落事故で、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は25日、同機が降下を始める前、2人の操縦士のうち1人が操縦室から閉め出された状態だったと報じた。飛行中の操縦室の音声を記録したボイスレコーダーの解析から分かったという。
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◇音声記録を解析
事故原因の調査に参加している軍当局者の話として、パリ発で伝えた。それによると、操縦士のうち1人が操縦室から出て戻ろうとして外からドアをノックしたが、室内から返事はなかった。徐々にノックを強くしても返事はなく、「(室外の操縦士が)ドアを打ち破ろうとしている様子が分かる」という。
軍当局者は「操縦士の1人が操縦室から出た理由は分からない」とする一方、「飛行の最終局面で、操縦室にはもう1人の操縦士がいただけで、ドアを開けなかったのは確かだ」と語った。
この報道に先立ち、事故の調査を進めている仏航空事故調査局(BEA)のジュティ局長は25日に記者会見し、航跡や残骸の状態から機体が爆発した可能性は低いとの見方を明らかにした。墜落原因は依然として不明だが、爆弾テロなどの可能性はほぼ否定された。
ジュティ局長によると、事故機は高度1万1580メートルに達し、午前10時半ごろ、管制塔に規定の航路を飛行中と発信した。その1分後から機体は高度を下げ始め、降下は墜落まで約10分間続いたのを、管制塔のレーダーで確認した。事故機が降下を始めてから管制塔が交信を試みたが、事故機からの応答はなかったという。
ジュティ局長は「レーダーは墜落の直前まで機体を捉えていた」と語り、空中分解や爆発の可能性を否定した。事故機からはコックピットの音声や交信を記録したボイスレコーダーが回収された。大枠の解析結果は数日中に出る見通しという。航路や高度などを記録するフライトレコーダーは回収されていない。
一方、仏フィガロ紙などによると、ヘリコプターによる遺体の搬送作業が25日始まった。
オランド仏大統領とメルケル独首相、スペインのラホイ首相は25日、捜索活動の拠点のセーヌレザルプで記者会見した。オランド大統領は「遺族のためにも原因解明が必要だ。遺体を遺族のもとに戻すために全力を尽くす」と語った。メルケル首相は「私たちは同じ痛みのもとに団結している」、ラホイ首相は「身元確認を望んでいる」と述べた。