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「いつも正しい人」が重罪を犯す? “完璧主義”は異常心理の入り口
「人間は、二面性を抱えた生き物である。誰でも影の部分をもっている」――そんなドキッとさせられる言葉ではじまるのが、現代人必読の異常心理入門として刊行された新書『あなたの中の異常心理』(幻冬舎)である。著者は、精神科医で横溝賞作家でもある岡田尊司氏だ。
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近年、未成年者の重犯罪や、異常に残忍な事件が増えているが、本著によれば、そうした犯罪に手を染めた人の多くは精神を病んでいたわけではなく、普段は正常な人が一時的な異常心理に陥ったに過ぎないのだという。とすると、正常な心理状態を保っている人との境目はどこにあるのだろうか? 同著で解説される様々な異常心理の中からいくつかを取り上げ、紹介してみたい。
【正しさだけを求め続けると、破綻する】
人は誰でも、「正しいことをしたい」という気持ちがある一方で、それとは裏腹の「悪いことをしたい」という衝動を抱えているのだという。にもかかわらず、その二面性を無視して正しいことや善いことだけを追求し続けたり、自分の中の影の部分を自覚していないと、「社会的地位もある人が少女のスカートの中を覗いて捕まる」、「有名人が万引きや覚醒剤で逮捕される」、「普通の母親がわが子を虐待死させる」といった事件を起こしてしまうことがあるという。
著者の経験から、そうした人の中には、幼い頃に愛情よりも暴力や無慈悲にさらされ続けたために異常な心理や行動を身に付けてしまった人がいた一方で、正しさや善いことを求められ過ぎたために正反対の偏りを生じてしまった人もいたそうだ。つまり犯罪は特別な人が起こすのではなく、多くの人が似たような危うさを抱えているというのである。
そして自分の中に潜んでいるかもしれない影の部分を、悪いこと・異常なこととしてではなく、人間の本質に根ざした一面として受け入れ、自覚しておくことで、大きな破綻から身を守る安全装置となるだろう、と説いている。
【“完璧主義”は異常心理の入り口】
本著によれば、完璧主義とは「あらかじめ期待していたことを、その通りに行わないと、すべてが台無しになったような失望や苦痛を感じる心理的なとらわれ」だという。うまく機能すれば優れた向上心や高いパフォーマンスの原動力となり、学業、職業、家事や子育てといった面で素晴らしい成果を収めることにつながるものの、その達成が困難な状況に置かれると異常心理にも通じてしまう、言わば“諸刃の剣”なのだそう。…