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<パラオ>慰霊碑の修復不評…防波壁新設「海見えづらい」
太平洋戦争最大の激戦地の一つとして知られ、天皇、皇后両陛下が4月に訪問されるパラオ共和国・ペリリュー島で、日本政府が慰霊碑「西太平洋戦没者の碑」を修復した際、碑をコンクリート製の防波壁で囲ったことに島民やパラオ在住の日本人から不満の声が上がっている。台風襲来に備えた措置だが「せっかくの景観を損ねた」との指摘が出ており、関係者は両陛下の歓迎ムードに水を差さないか気をもんでいる。
◇太平洋戦争の激戦地・ペリリュー島
ペリリュー島では約1万人の日本人が戦死したとされる。日本政府は1985年、海に面した島の南端に慰霊碑(高さ約4メートル、幅約8メートル、奥行き約3.5メートル)を建立したが、2012年12月の台風で土台がえぐられ、周囲の樹木がなぎ倒されるなどの被害を受けた。
そのため、昨年から日本の厚生労働省が中心となり、数千万円をかけて本格的な修復を開始。基礎部分やひび割れた箇所を直したほか、碑の周りに数十メートルにわたって波の被害と転落を防ぐための塀(高さ約1.1メートル)を新たに設けた。
しかし、島民やパラオ在住の日本人からは「広々とした海が見えづらくなった」「碑の形がよくわからない」などと不満の声が上がっている。ある島民の男性は取材に「工事をストップしてほしいと思ったぐらい」と話した。
厚労省は「批判は承知しているが、壁で囲まないと台風時に海水で碑の土台が崩れ、倒れてしまう危険性があった。台風が来ても基礎部分がえぐられないよう頑丈にした結果だ」と説明している。【真鍋光之】
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