仕事で役立つ人気ビジネスアプリおすすめ!
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
【大井川鐵道と街おこし①】経営破綻の危機に陥ったローカル鉄道は、いかにして復活を目指したのか
大井川鐵道を一躍有名にしたSL『トーマス号』
人口減少と三大都市圏への人口集中が進み、全国各地で過疎化の問題が深刻化しつつある。さらに、リーマンショックや産業空洞化の影響もあって、地域経済は衰退の一途をたどっている。
そんな中、鉄道が観光の目玉となって、地域の街おこしに寄与しているケースがある。その代表例ともいえるのが、昨年、SL『トーマス号』の運行で話題を集めた静岡県の大井川鐵道だ。
静岡県を南北に縦断する大井川鐵道は、旧東海道の宿場町・金谷駅から南アルプスの玄関口・井川駅までをつなぐ鉄道路線。金谷駅-千頭駅間を走る大井川本線と、千頭駅―井川駅間を走る井川線(南アルプスあぷとライン)という2つの路線からなる。
2014年には、イギリスの人気アニメ『きかんしゃトーマス』の意匠を施したSL『トーマス号』の運行をスタート。大井川鐵道は空前のトーマス人気に沸き、『トーマス号』は連日ほぼ満席の盛況となった。その乗客数は、運行日の55日間で約6万人を数えたという。
とはいうものの、ここに至るまでの道は平坦ではなかった。
実は、大井川鐵道は東日本大震災以降、廃業の危機に直面している。2000年代以降からじわじわと乗客数が減少し、震災後は3期連続で赤字を計上。瀬戸際まで追いつめられた大井川鐵道にとって、まさに救世主となったのが、『トーマス号』だったのだ。
では、大井川鐵道はいかにして復活を目指し、地域活性化の期待を一身に担う存在として生まれ変わったのか。今回から3回にわたって、その経緯と官民あげての取り組みを紹介する。
全国に先駆けてSLを動態保存。“鉄道ファンの聖地”となる
大井川鐵道株式会社の設立は1925年。南アルプスに源を発する大井川流域は、電源開発と林業が盛んな土地柄で、大井川鐵道はダム建設資材と材木の輸送手段であると同時に、地元住民の足でもあった。
だが、高度経済成長を迎えると、マイカー・ブームで利用客が激減。公共交通機関としての役割を終えた大井川鐵道は、観光路線に大きく舵を切ることとなった。
1976年には、当時の国鉄がSLから電化へと転換したのと入れ替わるように、全国に先駆けてSLの動態保存運転をスタート。当時、SLを動態保存している鉄道が他になかったこともあって、大井川鐵道は一躍、鉄道ファンの”聖地”となった。SLの集客効果で収益も増加し、大井川鐵道は息を吹き返したかにみえた。
だが、SL景気は長くは続かなかった。…