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まさにセレンディピティ。偶然から生み出された10の発明
「セレンディピティ(Serendipity)」という言葉がある。これは、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力や才能を指す言葉である。たまたま何かを発見したという「現象」ではなく、そこから何かを発見する「能力」のことである。
科学分野においても、例え当初の目的の実験は失敗しても、そこからひらめきを得て、まったく別の価値あるものを発見することがある。偶然の産物を得ることができるのは、柔軟な思想と、つねに前向きな好奇心、発想の転換などが必要であり、まさにセレンディピティを持った科学者であろう。
論理的思考で導き出す回答には限界がある。時には偶然の発見が必要なのだ。
ここでは、この世に登場するために偶然を必要とした10の発明を見ていこう。
■ 10. LSDのサイケ効果
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リゼルグ酸ジエチルアミド、すなわちLSD自体は偶然発明されたものではない。偶然の発見はそのサイケ効果だ。
1929年当時、スイスの科学者アルバート・ホフマンは、薬用植物の有効成分の分離や化学合成をする研究計画を進めていた。LSD-25という化合物を合成したが、当初はそれほど興味を引くものではなかった。5年後、再度この化合物を調査するため合成を実施したとき、「奇妙な感覚で作業が中断した」とホフマンは述べている。図らずも化合物を吸入したのだろう。帰宅し、横になっていると、「万華鏡のような強烈な色彩」を伴う「幻想的な映像」を見た。こうして最強のサイケドラッグが誕生した。
■ 9. コーンフレーク
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アメリカ人の最も愛するシリアルが実は偶然の産物であったなど知る由もないだろう。発端はウィル・キース・ケロッグが医学博士の兄の許で研究助手や患者の食事の調理を受け持つようになったことだった。
ある日、誤ってパン生地の主要な原料である茹でた小麦をほったらかしにして外で座りこけていた。数時間後に戻ってみると、小麦がフレーク状になっていた。興味を惹かれたケロッグがフレークのパン生地を焼いてみると、カリカリのスナックが出来上がった。患者たちに食べてもらうと好評で、ケロッグはこれを大量生産しようと思い立つ。現在のケロッグ社はこうして産声を上げた。
■ 8. ダイナマイト
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爆発物の研究は陽気な人間には向かない。スウェーデンの科学者アルフレッド・ノーベルはこのいばらの道を歩むことにした。…