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キャデラックCTSプレミアムの意外な走りの味わいとは?
前後重量配分「52:48」のAWDセダン、キャデラックCTSは、大排気量のV8やV6エンジンではなく、2.0Lの直列4気筒DOHCターボを搭載しています。
なお、試乗車は冬の軽井沢ということで、ミシュランのスタッドレスタイヤ「X-ICE」を装着(245/40R18)。
全長は5mに迫る4970mmで、ロングノーズ&ローフォルムが目を惹くディメンションですが、巨体の割に軽快なフットワークを披露してくれます。
軽井沢の狭い山道に入りこんでも鼻先が軽く向きを変えてくれますから、サイズと左ハンドルにさえ慣れてしまえば、意外と軽く走らせることができるのが印象的。
重量を見てみると、ライバルよりも長めの全長、そしてAWDを採用しているのにも関わらず車両重量は1770kgに収まっています。これは、BMW5シリーズで直列4気筒を積む「528i M Sport」の1770kgと同値で、しかもFRであることを考えると、AWDであるキャデラックCTSプレミアムの軽量ぶりが伝わってきます。
キャデラックCTSプレミアムには、マグネシウム、アルミなどの軽量化素材が積極的に使われていて、構造用接着剤の採用などにもあってボディ剛性は先代CTSよりも40%も向上。
2.0Lターボエンジンは、最高出力276ps/5500rpm、最大トルク400Nm/3000-4500rpmという数値で、先述のBMW528iの245ps/5000rpm、350Nm/1250-4800rpmと比べるとパワーもトルクも上回っているとおり、高速域のパンチ力も十分です。
最大トルクの発生回転数はやや高めではあるものの、中・低速域のトルク感も十分に感じられますし、シフトレバー下にあるスイッチでドライブモードを通常の「ツーリング」から「スポーツ」にすると、ステアリングの手応えが増し、よりダイナミックな走りが可能に。
トルク感も若干増しますし、エンジン回転数も音も高まります。しかし、「スポーツ」モードでも乗り心地は快適なままで、この手の「スポーツ」は快適、騒音面からあまり使いたくない車種も多いですが、これなら実用になります。
さらに、ややゆったりしたパワステのフィーリングである「ツーリング」よりもとくにワインディングでは楽しく走行できるのも朗報。
今回は、雪道での走行はごくわずかでしたが、後輪のどちらかが空転するのを察知すると、瞬時に前輪にトルクが配分されるオンデマンド型のAWDはあくまで安定志向という印象。…