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ビフィズス菌を配合したカルシウム強化ミルクで健康な老後が期待できる。男女中高年2万人調査で判明
ビフィズス菌を配合したカルシウム強化ミルクを長期間飲み続けると、骨折が減少、便秘や便秘傾向の割合が改善してお年寄りの健康維持や生活の質(QOL)向上に役立つことが、50代~80代の男女23,000人以上に上る大規模アンケート調査から明らかになっている。
高齢社会を迎え、お年寄りが元気に活動できる健康寿命を延ばすことが現代社会の大きな目標になっている。そこで森永乳業は、東京医療保健大と協力し、カルシウムとビフィズス菌が配合された宅配用の乳飲料を飲んでいる人、飲んでいない人に90,000部余りのアンケート用紙を配布、23,000人から回答をもらった。そのうち同飲料を3年以上週4回以上飲んでいる7,156人とまったく飲んでいない5,025人のデータを比較したところ興味ある事実が浮かび上がってきた。
その一つは、同飲料を摂取しているグループは男女とも便秘や便秘傾向の人の割合が低いことが分かった。中高年になると、便秘の人が多くなるのが普通だが、摂取しているグループは、飲んでいないグループに比べて、便秘リスクが男性で約16%低下、女性では約15%低いことが明らかになった。同飲料には整腸効果が期待できるので、それらが作用して便秘が改善している可能性があるという。
もう一つは摂取グループに「物忘れ」を感じる人が少なかった点。最近の研究で脳と腸の相関関係が注目されているが、摂取グループは非摂取グループに比べて物忘れリスクが男性で約19%低下、女性では約14%低下していることが分かった。腸の状態がいいため、それが脳の働きに好結果を与えているのかもしれない。
もう一つ見逃せないのは摂取グループは骨折経験が少なかったこと。男性ではグループ間であまり差がなかったが、女性では摂取グループで骨折のリスクが約16%低下、特に70代以上では顕著な差があることが分かった。10年以上摂取している女性では非摂取のグループに比べて、5年以内の「骨折経験」が少なかった。高齢の女性では、骨密度が減少する骨粗しょう症対策が大きな社会問題となっているが、同飲料が予防に役立っていることを示すデータが得られたことになる。
また、摂取グループは(1)「大腸ポリープ」(男性)、「腎臓病」(女性)、「胆石」(男性)の罹患歴が低い(2)日常生活で「疲労感」(女性)、「腰痛」(女性)を感じる人が少なかった―なども明らかになっている。
調査を分析した東京医療保健大の下田妙子教授は「ビフィズス菌配合カルシウム強化ミルクの長期継続摂取によって(1)骨折予防効果(2)大腸ポリープ予防効果(3)睡眠障害予防効果などが確認され、高齢者の健康、QOL向上に有効であることが認められた」としている。