ポール・スコールズ：「エバンスがシセに向かって唾を吐いたとは思えない」。アーセナルにも言及

　

　「エバンスの唾吐きは意図的ではない」

　　元マンチェスター・ユナイテッドのポール・スコールズ氏は、先日起きたユナイテッドのDFジョニー・エバンスとニューカッスルFWパピス・シセの唾吐き事件、そして近年リーグ優勝から遠のいているアーセナルについて言及した。以下、スコールズ氏のインタビューである。

　　ジョニー・エバンスとパピス・シセの唾吐き事件の映像を観直したが、最初にリプレイを見た時の直感と同じ結論に達した。ジョニーが意図的にシセに向かって唾を吐いたとは思えない。

　　ジョニーは以前からのチームメートで、いいヤツだと思うが、そのことはひとまず置いておこう。彼はシセに向かって唾を吐いてはいないという声明を出したが、私は彼の言葉を信じる。私の考える限りでは、単純にジョニーは相手に唾を吐くようなタイプの男ではないと思う。だが彼の性格について証言をするよりも、状況を冷静に分析した方がより分かりやすく説明できるだろう。

　　もう一度映像を観直してみれば、シセとエバンスが交錯した後、先に立ち上がったのはエバンスの方だと分かる。彼は立ち上がりながらシセの方を見ていた。おそらく、相手がまだ怒っていてもう一度自分の方に向かってくるのではないかと思ったのだろう。そう感じられるのは、ジョニーが一時的に両手を上げていて、シセをもう一度押し返すか、少なくとも自分を守ろうとする準備をしているかのように見えるからだ。

　　ジョニーは立ち上がり、一歩後退したところで唾を吐いた。その時の彼の視線はシセの方を向いていた。上記の理由によるものだが、それが印象を悪くした。だが私の直感としては、ジョニーは地面に向かって唾を吐いたのだと思う。単に反射的な行動だ。サッカー選手であれ他のスポーツの選手であれ、プレーが途切れたタイミングで唾を吐く癖があり、意識すらせずにやることだ。私自身も選手時代にはやっていた。今回もジョニーの無意識の行動だったと思う。シセに向けられたものではない。

「相手への唾吐きはイングランドでは最悪な行為」

　　相手に向かって唾を吐くことは、イングランドのサッカーでは最悪中の最悪な行為だと見なされている。選手としては足を折られて9ヶ月間離脱することに比べれば唾を吐かれる方がまだマシだなどという話も聞いたことはあるが、いずれにしても選ぶようなものではないだろう。唾を吐く行為を非難する者が狭量であるかのように思わせるためのバカげた比較だと思う。…