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商社マンから落語家への転身 そこで必要だったのは「自分を壊すこと」?
商社マンから落語家に転身した立川志の春さんは、会社を辞めることを上司に伝えたとき、「ハイリスク、ローリターンやのう!おもろいやないか!」と言われたという。
世間的に見れば、高収入や安定、肩書きを捨てて、成功するかもわからない落語家になったと見られるかもしれない。しかし、本当はやりたいことがあるのに、いろいろな理由をつけて挑戦できないでいる人は多いのではないだろうか。
志の春さんは、なかなか踏み出せないその一歩をどう踏み出し、違う環境にどのように順応していったのだろうか。
『自分を壊す勇気』(立川志の春/著、クロスメディア・パブリッシング/刊)は、「才能」「気遣い」「師弟」「オリジナリティ」などについて、立川志の春さんが落語の世界で経験したことを紹介した一冊だ。
志の春さんは、幼少時と大学時代の計7年ほどをアメリカで過ごした。アメリカのイェール大学を卒業後、三井物産に3年半勤務。偶然通りがかって初めて観た落語に衝撃を受け、三つ井物産を退社し、立川志の輔さんに入門した。
三井物産という大企業を辞めて、落語の世界へ。これまでのキャリアとまったく異なる世界に飛び込むには、肩書きや快適な環境を捨てる覚悟が必要になる。それまで自分自身が思い描いていた「自分らしさ」や「個性」の概念を、一旦壊す必要もある。そうして新しい世界の流儀に従うことが、その世界で生きていく唯一の方法だ。志の春さんにとって、この「自分を壊す」のは重要なことだったのだ。
徒弟制度における修業は特異な制度だと志の春さんは語る。
まず、頭ごなしに個性というものを否定されるところから始まる。「自分らしさ」なんてまだまだと気付かされるのだ。しかし、これは中途半端な自分像を持っている人間にとってはハードだ。26歳で入門した立川志の春さんは、「自分らしさ」や「個性」について勘違いしている部分が大きかったため、修業に順応するのにとても苦労したという。
でも、一度も辞めたいと思ったこともなければ、会社を辞めなければ良かったと思ったこともない。やりたいことに向かえているのだから、傍からどう見えようとも、当人は幸せというわけだ。「自分らしさ」の概念を壊し、落語の世界の流儀に順応していった。
志の春さんにとって、修業というのは、もやもやとした自分の中の「自分らしさ」や「個性」を叩き壊すことで、新たなものを手に入れるために必要不可欠な過程だったという。
本書には現状から一歩抜け出したい人たちに向けた心強い言葉が込められている。人生の大きな岐路に立ち、迷っている…そんな人は、志の春さんの考え方や行動力は参考になるはずだ。
(新刊JP編集部)