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後継社長が“上から目線”になってしまうワケ
■社員を見る目を持っていない
妙に偉そうに“上から目線”で社員たちに指示する後継者がいる。年下の先輩社員を平気で呼び捨てにしたり、頼み事であっても命令口調で言う。いずれ全社員が、後継者である自分の部下になると思って、現在の自身の立場も考えず、今からそういう態度で接している……。
「まさか」と思う人もいるかもしれないが、実は、意外とこういうことを平気でしている後継者が多い。「自分は大丈夫」と言い切れるだろうか。後継者であるとはいえ、“上から”ではなくニュートラルな立場でいられているだろうか。言うまでもないが、こういった傲慢な後継者には人がついてこない。
後継者だからといって偉ぶり、人を動かすなどというのは論外だ。そんな態度で接していては摩擦が起きるだろう。後継者だからこそ、誰にでも「です・ます」で会話し、呼び捨てにするようなこともなく、丁寧な言葉のやり取りを心がけることだ。
では、こういった人がついてこない後継者にはいったい何が足りないのか。それは「社員を見る目」である。「部下は3日で上司を知る。上司は3年で部下を知る」という言葉があるが、上の立場の人はそれほど社員のことを見ていない。いや、見ようとしていないのだ。
「これ、おすすめです」と言われても、「私はもう完璧です。それは必要ないです」と返事をしてくる人ほど、そういったことができていないものだ。自分のほうが相手より上なのだから、自分より下の人から学ぶようなことはないと最初からタカをくくっている。どんな立場の人であっても、いろいろな話を聞いたりすればするほど、本来は新たな発見や学ぶべきものが見えてくるものなのだ。
だからこそ、後継者は「自分以外はみな我が師」という目で社員たちを見ることをしてほしいと思う。年齢や社歴に関係なく、どんな社員にも、何か必ず秀でた部分があるものだ。そこを見つけて、「見習うところがある」という姿勢でいることで、後継者として勉強になる。後継者にとって「社員を見る目」というのは非常に重要な持つべきスキルの一つなのだ。
■担ぎ手がいなければ神輿は舞えない
驚くことに、世の中には「ウチの社員は馬鹿だから。出来が悪いから」といった、耳を疑うようなことを平気で言う経営者や後継者が存在する。信じたくないが、これは事実だ。
社内のトラブルの90%以上は、コミュニケーション不足から起きる。言葉で伝え、言葉で動く限り「言ったつもり」「言わなくても大丈夫だろう」「聞いていない」ということは必ず起きる。…