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米の防衛ミサイル配備、中国の顔色うかがう韓国、「韓国が中国に傾倒」主張と日本にも“飛び火”
2015年3月20日、米国が韓国への配備を検討している迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」をめぐり、韓国政府が態度を決めかねている。核やミサイル開発を進める北朝鮮の脅威にさらされているものの、配備について、“けん制球”を投げてくる中国の顔色をうかがっているためだ。
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THAADは敵の弾道ミサイルが発射後、終末段階にさしかかり、大気圏に再突入している段階で迎撃・撃破する。従来はパトリオットPAC-3が配備されてきたが、PAC-3は比較的小規模で展開しやすい代わりに、射程が短く高速で突入してくる中距離弾道ミサイルなどへの対処が難しいため、成層圏よりも上の高度で迎撃するTHAADが開発されたという。
韓国・聯合ニュースによると、韓国と米国は来月中旬、米ワシントンで開かれる第7回米韓統合国防協議体(KIDD)会議で、THAADを駐韓米軍に配置する問題について協議する。 韓国国防部は「正式な要請が来た時に判断する」と強調。 韓国・国民日報は韓国軍が武器を米国からの輸入に頼っている現状を指摘し、米国への重度の依存は韓国の国防能力を弱める危険性があると警鐘を鳴らしている。
韓国がTHAAD配備に及び腰なのは、中国の存在。韓国・中央日報によると、昨年7月に韓国を訪問した中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が朴槿恵(パク・クネ)大統領と会った際、THAAD配備問題に初めて言及したのをはじめ、今年2月に訪韓した中国の常万全国防相も配備に反対する発言をした。
中国・参考消息網もTHAADの朝鮮半島への配備に関して「韓国が米国と中国の板挟みになっている」と報道。「深刻化する北朝鮮の核問題に対し、米国はより高度なミサイル防御システムを導入し、核兵器や弾道ミサイルに対応する方針について重要な意義があるととらえている。しかし、韓国は米国の戦略に不透明な点があるため、継続的に支持することは難しい状況だ」と“解説”してみせた。
米中のはざまで揺れる状況に韓国のネットユーザーの反応も複雑。
「安保問題で周辺国の顔色をうかがう必要はない」
「中国の機嫌をうかがっていると米韓同盟が崩れてしまう」
「中国と北朝鮮が核を保有している限り、韓国国防のためには必要だと思う」
などの声がある一方で
「この問題では、韓国がいかに小さい国なのかを思い知らされる」
「韓国は昔から強国の間で困難な状況に陥ってきた。今回も米国と中国という大国間での問題だ」
「朝鮮半島を再び戦場にしたくないのなら、配置は避けるべきだと思う」
などのコメントが寄せられた。…