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細胞分裂装置(収縮環)の形成メカニズムの一端を解明 早大の研究グループ

 細胞分裂装置(収縮環)の形成メカニズムの一端を解明 早大の研究グループ

 2015-03-26
 
 早稲田大学広報室広報課
 
 細胞分裂装置(収縮環)の形成メカニズムの一端を解明
 癌細胞の分裂抑制や再生医療への貢献に期待
 
 すべての生物は細胞分裂によって成長・増殖します。細胞分裂(=自己複製機能)は生命の定義とも言える、生物にとって必要不可欠な機能であり、その仕組みの究明は生物学・医学における最重要課題のひとつです。我々ヒトを含む動物細胞は、分裂期になると細胞膜の内壁に収縮環と呼ばれるリング状のバンドル構造をつくります。このリングが収縮し、細胞膜を巾着のようにくびり切ることで細胞は分裂します。これまでの分子細胞生物学的研究から、収縮環を構成するタンパク質や、収縮環の形成を制御するタンパク質が徐々に明らかになってきました。しかし、収縮環が自己組織的に形成される仕組みについては、未解明な部分が多く残されています。
 
 今回、理工学術院の宮崎牧人(みやざきまきと)次席研究員と石渡信一(いしわたしんいち)教授(先進理工学部物理学科、早稲田大学バイオサイエンスシンガポール研究所所長)らの研究グループは、細胞から単離・精製したタンパク質を混ぜ合わせて細胞を模したカプセルに封入し、収縮環様のリング構造を再構築することに世界に先駆けて成功しました。さらに、細胞質分裂を担う収縮環の自己組織化と、その収縮に必要な最小限の構成要素と物理的条件を明らかにしました。この成果は、細胞分裂の仕組みの全容を解く重要な手掛かりになると期待されます。
 
 細胞分裂の仕組みの詳細が明らかになれば、将来的には細胞分裂を自在に制御することが可能になり、癌細胞の分裂の抑制や、正常細胞の分裂促進による各種疾患治療、再生医療など、さまざまな医療分野への貢献が期待されます。また、今回の研究成果を応用することで、自己増殖機能を備えた人工細胞をつくりだす可能性もあります。
 
 なお、今回の研究成果は、英国科学誌『Nature Cell Biology』オンライン版に、3月23日午後4時(現地時間)に掲載されました。
 
 ニュースリリース詳細 http://www.waseda.jp/top/news/topic/24330

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