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薬も医者も風邪は治せない! 季節の変わり目、風邪薬の意外な副作用とは?

 薬も医者も風邪は治せない! 季節の変わり目、風邪薬の意外な副作用とは?

 

  咳、喉の痛み、鼻水、発熱……。誰もが経験したことがある風邪のつらい症状。そんなとき、日本人の多くは「仕事に支障をきたすから薬を飲もう」「家事ができないと困るから病院に行こう」と考える。
 
  だが、こうした「風邪薬は風邪を退治してくれる」「医者が風邪を治してくれる」という認識に待ったをかけたい!
 
  病気の症状を緩和する薬はあっても、病気を根本的に治す薬はほとんどないことは、この連載で何度も述べた通りだ。風邪薬は、咳や鼻水を止める、解熱するなど、表面に出る症状を軽くするだけの対症療法であり、根本原因を取り除くものではない。また、薬で病気が治らないのであれば、薬を処方する医師が病気を治すとも言いきれないだろう。
 
  ところで、風邪薬のコマーシャルでは、熱、鼻水、喉の痛みなどの症状を、まるで憎い敵か悪魔のように扱っているものが多い。たしかに、体がつらいと仕事や家事、勉強が滞ってしまい、薬が救世主のように思えることもある。だが、そもそも風邪をひくと、なぜ咳や鼻水、熱、喉の痛みなどの症状が出るのだろうか? 
 
  それは、体自体が風邪のウイルスと戦うために、免疫反応が活発になるからだ。症状はウイルスを排除するための生体防御反応なのである。従って、本当の敵は風邪の症状ではなく、ウイルスだ。ウイルスと戦う体を助けるために私たちができることは、安易に薬を飲んで、この生体防御反応を抑えてしまうことではない。大切なのは、体のエネルギーをなるべく使わないようにゆっくり休むことである。
 
  ただ、あまりにもつらく、さらに仕事や家事をしなくてはならない状況であれば、薬の服用もやむを得ないだろう。咳や鼻水が止まらず余計なエネルギーを使ってしまうのなら、薬で症状を軽減し、体力を温存することも一案である。しかし、やはり体の健康を第一に考えれば、薬は最後の手段になる。風邪を治すのは薬でも医者でもない。本当の敵と戦うのは、自分の体だということを忘れないでほしい。
 
 風邪薬を飲んだせいで熱中症に
 
  温度も湿度も高く、過ごしにくい日本の夏。毎年、熱中症で病院に搬送される人が後を絶たない。この熱中症の原因は、高温多湿や水分・塩分の不足といわれているが、それだけではない。実は風邪薬、とくに鼻水止めの薬に熱中症の原因が潜んでいるのだ。実際に熱中症で病院に来た人に話を聞くと、風邪薬を飲んでいたという人が少なくない。
 
  鼻水止めには抗コリン薬という成分が配合されており、鼻水だけでなく、汗を止める役割もある。…

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