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<両陛下パラオ訪問>日系の元大統領、「国をあげて」歓迎

 <両陛下パラオ訪問>日系の元大統領、「国をあげて」歓迎

 約1週間後に迫った天皇、皇后両陛下のパラオ共和国訪問について、日系人のクニオ・ナカムラ元大統領(71)が現地で毎日新聞のインタビューに応じ、「パラオは終戦までの約30年間、日本の統治下にあった。日本の教育を受けている人たちが多く、とても親日的だ。国をあげてお迎えしたい」と歓迎の意を示した。
 
  ナカムラ氏は三重県伊勢市出身の船大工の父とパラオ人の母との間に、8人きょうだいの7番目としてパラオで生まれた。戦後の一時期、一家は日本で生活したが困窮してパラオに戻った。ナカムラ氏は教師を経て政治活動を始め、1993年に大統領に就任し8年間務めた。大統領として計13回、退任後も計2回来日した。
 
  ナカムラ氏は、両陛下の訪問先に約1万人の日本人が戦死したペリリュー島が含まれたことについて、「白くて美しいビーチがかつて多くの日本人の血で赤く染まった。パラオ人はそのことに心を痛めてきた。戦死した兵士たちへの何よりの慰めだ」と述べた。
 
  また、戦後60年の2005年にもパラオ訪問の計画があったことにも言及。「サイパン、パラオ、ミクロネシア諸島を訪問される話が持ち上がったが実現しなかった。当時、トラック諸島の日系の大統領らが大変残念がっていたが、今回はそれらの島々の要人も来て両陛下を歓迎する」と語った。
 
  ナカムラ氏は大統領当時、天皇陛下と3回会っているといい、「英語と日本語で語り合い、非常に有意義だった。淡水魚の研究をされていると聞き、帰国後にパラオの河川の魚の本をお送りした。個人的にとても尊敬できる方」と話した。【真鍋光之】

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