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<辺野古移設>調査再開 現場海域で一時もみ合いや怒号

 <辺野古移設>調査再開 現場海域で一時もみ合いや怒号

 ◇「沖縄の民意を全くかえりみずに踏みにじる…」
 
  沖縄県知事、名護市長、そして県民の多数が反対する中、防衛省は12日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に向けた海底ボーリング調査を再開した。現場海域では小型船で抗議する反対派と警備する海上保安官が一時もみ合いになり、怒号が飛び交うなど緊迫。移設を強行する政府の姿勢に、市民らの憤りが噴き出した。【前谷宏、鈴木一生、青木絵美】
 
  現場海域では沖合の台船の上でこの日朝から、作業員数人が作業を開始し、午前10時半過ぎ、台船の中央から掘削用の黒い管が海底に下ろされるのが確認された。国は2月下旬から辺野古の沿岸部で台船2基を組み立てており、このうち1基を11日に沖合へえい航し、設置作業を進めていた。
 
  海上では、反対派が午前10時過ぎから4隻の船に乗り、立ち入りが制限されている臨時制限区域内への侵入を図った。怒号が飛び交う中、海上保安官らが乗るゴムボートに阻止され、船は次々と区域外へと追いやられた。船上で海上保安官ともみ合いになるメンバーもおり、腕をけがしたとして反対派の女性1人が救急搬送される騒ぎもあった。
 
  現場近くの米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、抗議の座り込みを続ける反対派約200人がデモ行進。「ボーリング反対」「調査強行をやめろ」とシュプレヒコールを上げた。沖縄平和運動センターの山城博治議長は「訴えが無視され、怒りでいっぱいだ。移設反対は県民の民意。政府の強硬姿勢により沖縄の怒りは強まるだろう」と憤った。
 
  県内の他の反対派の市民からも抗議の声が相次いだ。
 
  宜野湾市に住む普天間爆音訴訟団の高橋年男事務局長(62)は「県知事選や衆院選で見せた沖縄の民意を全く顧みずに踏みにじる安倍政権のやり方があらわになった。いつまで沖縄に犠牲を強いるつもりなのか」と怒りをあらわにした。
 
  キャンプ・シュワブの付近住民で作る団体「ヘリ基地建設に反対する辺野古区民の会」の西川征夫さん(70)は「政府が強引に来ることは分かっており、政治判断には何もできない」としながらも「ギブアップしたわけではない」と語る。「政府が地元の補償要求に何一つ応えておらず、容認派と反対派の溝も埋まりつつある。本体工事に着手するまでは、辺野古区民が一体となって反対ののろしを上げることを目指して活動したい」と話した。

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