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99台限定の「ロボット時計」登場!精密工作技術の進化はここまできた
これまで『FUTURUS』では、医療や製造の現場を変える可能性のあるロボットを紹介してきた。今回紹介するプロダクトはロボットの外見をした非なるもの、そう置き時計だ。電池やセンサーで動くものではなく、ゼンマイと歯車で動くカラクリ式の時計である。
精密工作が必要とされる時計製造の現場では工作機械の向上により、より複雑で独創的な造形や機構の生産が可能になってきている。世界最大のスイスで開かれる時計見本市『Baselworld 2015』でMB&F社が発表した時計は、その進化を正面から感じることができるタイムピースとなっている。
■ ゼンマイ仕掛けのロボット時計
モデル名前は『MELCHIOR』。MB&F社の10周年を祝って製造された99台限定のタイムピースである。
480パーツにも及ぶ部品数で、既存のムーブメントなどは利用せず、新規設計のものとなっている。ステンレススチールや真鍮を切削して、一つ一つが特注の部品で構成される。武器のような左手部分にあたるパーツを取り外すことで、ゼンマイの巻き上げや日付調整ができるギミックが楽しい。
もちろん時計としての性能も保証済みだ。ムーブメントの設計は、1839年から置き時計を製造している老舗のレペ社に製造を依頼。一度ゼンマイを巻き上げれば40日間動くパワーリザーブを誇る。
価格はまだ好評されていないが、同社の過去プロダクトなどを見る限りでは400~500万円程度と考えらえる。ある意味大人をターゲットにした遊び心のある高級なおもちゃと考えるのも良いかもしれない。
■ SF映画をモチーフにしたタイムピースの数々
MB&F社のアートピースは映画『スタートレック』から影響を受けたものが多い。たとえば昨年の見本市では『スターフリートマシン』という宇宙船のような外観を持つ置き時計を発表した。
また、機械式のオルゴールなども製作し、こちらも『スタートレック』のエンタープライズ号を彷彿とさせる作りだ。オルゴールの音色はもちろん『スタートレック』のBGMが奏でられる。
『スタートレック』ファンであれば必ず飛びつくであろう製品クオリティは圧巻だ。
マスプロダクトとは違う富裕層をターゲットにしたモノ作りのアプローチは、精密機器の製造を得意とする日本でも通用するように思われる。たまにはこういった遊び心のあるハードウェアに触れて、少年の時に感じたSFへの憧れを感じ取ってほしい。
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